
【RTDリーグ2018萩原聖人インタビュー】アマ最強雀士が盟友・藤田晋の思いを継いで参戦した「意味」と「矜持」
インタビューを終えて
魅せながら、勝つ――。
それはすべてのプロが理想とする「究極の麻雀」だろう。
そして、萩原聖人が指針とする麻雀こそが、まさに魅せながら勝つ「究極の麻雀」であり、RTDリーグの中で自分のスタイルを貫こうとしている。
競技を問わず、プロは勝つことでしか己の存在価値を示せない世界。「理想」だけを追求して勝ち続けられるほど、甘い世界でないことは残念ながら「現実」だ。すべての麻雀プロが「魅せる麻雀」に強く憧れる一方で、「勝てる麻雀」をしなければ生き残れないジレンマを抱えながら戦っている。
萩原と同じようにRTDリーグを盛り上げることに心血を注ぐ多井隆晴は、その一方で「もしも下位に負けて出場停止になると、今の仕事は半減するかもしれない」と麻雀界に生きるプロとしての切実な思いを吐露している。
ましてや萩原の言葉通り、世界最高峰のプロが集まるRTDリーグで、理想と現実が、内容と結果がマッチした「究極の麻雀」を表現することは、極めて難しいと述べざるを得ない。慎重で我慢強い麻雀が持ち味の萩原でも、理想を追い求めた結果、見るも無残な大敗を喫する可能性もないとは言えないはずだ。
だが、それを誰よりも自覚しているのは萩原本人に他ならない。例え、自分のスタイルを貫くのが如何に険しい道のりであろうとも、今の萩原には大きな問題でないのかもしれない。何故なら、萩原はすでに自分がRTDというリーグで戦う「意味」を見定め、その覚悟を固めた上で戦っているからだ。そう本人に話すと「人間なんでね、そう思っていてもブレる時もありますよ」と自嘲気味に笑った。
実はインタビュー当日、現場に現れた萩原の声は少し掠れていた。風邪でもひいたのかと思ったが、実は前日がRTDリーグの収録日で、そのまま瀬戸熊と語り明かしたらしい。そう照れくさそうに話す姿には、俳優として気取ったところなど一切感じられなかった。
「僕は、あそこに行ってみんなの顔を見るのがすごく楽しい。1半荘終わると、小学校の休み時間みたいにみんなで麻雀の話で盛り上がる」
そう、二枚目をくしゃくしゃにして笑う表情は、本当に少年のようだった。(敬称略)
(文=浅井宗次郎)
(写真=佃 大平)
※萩原はその後の5回戦でRTDリーグ初トップを達成。解説・瀬戸熊に「ミラクル」と言わしめる大まくりで豪快に初日を締めている。
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