パチンコ店「台データ」をその場で公開!? 今では当たり前の周辺機器とは

　パチンコやパチスロを打つ際になくてはならない周辺機器って何を思い浮かべますか？おそらく多くの方が、遊技機の情報を備えた機器「呼び出しランプ」を真っ先にイメージするかと思います。

昔は、店員さんを呼び出す機能と大当り中を知らせるランプ機能ぐらいだった

　その機器は年々パワーアップしており、今では当日の大当り回数や回転数、確変回数や継続回数、前日や前々日の大当り回数、またそれらをグラフ化した機能も搭載されています。

　それ以前の呼び出しランプは、単に店員さんを呼び出す機能と大当り中を知らせるランプ機能ぐらいでした。お店によっては、ホールの中央などで大当り回数を台番ごとに正の字を書いていたこともありました。でも、回転数などは自分自身で数えることがほとんどで、なかには「日本野鳥の会」などで使われていそうなカウンターを購入する強者もいましたね。

　私がパチンコを打ち始めて数年後（平成初期）のこと、とあるパチンコ店がグランドオープンした時に真新しい呼び出しランプを目撃しました。何やら普通のランプではなく、数字のセグメントも備えていたんです。打ち始めると、そのセグは回転数を数えていることだと理解しました。そうです、これが呼び出しランプに“台の情報”を備えた革命的機能なのです。

革命的な機器を次々と開発

　その先駆者はダイコク電機という会社でした。同社は、パチンコホール向けの関連機器専業メーカー。現在、業界関係者向けの「SISデータ」と呼ばれる営業指標をまとめて公開しています。ちなみに、あのパチスロメーカー「DAXEL」も同社グループです。

　先ほどの呼び出しランプは、同社が発表した型式「IL－10」というもの。ちなみに、別のお店では、その回転数のセグが大当り回数仕様になっていため、おそらく各ホールで切り替えられる仕様だったと思われます。

　同社の衝撃的な革命はまだまだありました。これもお店によってですが、ホールの一角に全台の情報を観ることができるターミナル機器もあったのです。当時は先ほどの呼び出しランプでしたので、まとめた情報を得るためにはこの機器は必須アイテムだったと思います。必要な情報を自身で選んでプリントアウトできたのも画期的でした。

　それだけではないのです。台情報をさらに個人的に分析できる情報端末も登場しました。それが「ポケロボ」です。同社が開発した端末で、現在でいえばスマホほどの大きさでした。そのパチンコ店で登録しているIC会員カードを差し込み、台情報や電卓機能、電話帳やパチンコ手帳などの機能があって、タッチペンで操作できるものでした。

　私もこれを持っていた記憶があります。そのポケロボがものすごく欲しかったのですが、CR機で一山当てないといけない交換個数でしたので何度も苦悩しました。ようやく交換できた時には、それを持って自分なりにデータ分析をしましたが、その時はこれを使って上手に立ち回りできませんでしたね（苦笑）。

　同社の台情報機器によって、その後のパチンコ店では同類機器が設置されて当たり前となりました。これにより、今までカンなどに頼った台選びが劇的に変わりました。その数十年後の現在でも、今回のデータ情報の基礎は変わりません。以前紹介した「正直経営」のパチンコ店では、この情報公開にチカラを入れていて集客ツールとなっています。これからも遊技機以上に、情報公開機器の進化は止まらないでしょう。

（文＝四本コーヒー店．）
＜筆者プロフィール＞
　パチンコ好きが高じて異業種から転職し、長年パチンコ店の一般正社員としてホール現場を見てきた。単にパチンコを打つだけでなく、新規グランドオープンなどの市場調査やレトロ台探訪、のめり込み防止のための依存症考察など様々な遊技関連を日夜追っかけている変態パチンカー。そのため、大御所ライターや遊技機メーカーや周辺機器の幹部、他ホール法人の幹部などとの交流がある。ちなみに「四本」の読み仮名は（よんほん）ではなく（よつもと）である。

【注目記事】
■パチスロ新台「超速AT」を実戦!!「スルメ台」確信も不安な要素が!?
■日本一有名？なパチンコ店が廃業か… 「祝日＝全台高設定」「タクシー無料」独特な営業方針で話題に
■「当りは早く・沢山連チャンさせたい」…そんな方へお勧めの甘デジ機【松戸檸檬の人生ちらみせ道中膝栗毛】