【G1展望・優駿牝馬オークス】大本命シンハライトの「一強」か、それとも新勢力の「台頭」か……同世代にとって「生涯に一度」の頂上決戦が始まる
今年の3歳牝馬クラシック戦線は世代最初の激突となった桜花賞(G1)以降、衝撃的なニュースが相次いだ。
まずは桜花賞で1番人気だったメジャーエンブレムが、NHKマイルC(G1)への参戦を表明。桜花賞で本来の力を発揮できなった2歳女王の選択に様々な議論がなされたが、見事に府中のマイル決戦で牡馬を蹴散らして快勝。今年の3歳牝馬のレベルの高さを実証すると共に、その選択が正しかったことを証明してみせた。
しかし、それ以上の衝撃を与えたのが、桜花賞馬ジュエラーの全治3カ月の故障による離脱だ。
これで桜花賞前にいわれていた「三強」のうち2頭がクラシック戦線から消えたこととなり、世代の頂点を決めるオークス(G1)は三強対決の”第二幕”から一転、「一強」か「否か」という形勢となり始めた。
波乱の展開を迎えている3歳牝馬クラシック戦線の中心にいるのが、「三強」の一角となるシンハライト(牝3歳、栗東・石坂正厩舎)だ。
デビューから3連勝で挑んだ桜花賞は勝ち馬の末脚に屈したものの、一度は先頭に立つ強い内容。最終的な着差は僅か2㎝と、桜の女王に文字通り”肉薄”した。3着以下につけた着差が1・3/4馬身という差は決して小さくない以上、オークスの主役は「三強」の残る一頭となったシンハライトを置いて他はないといった状況だ。
今回は「負けられない戦い」となるが、まずはオークスで世代の頂点に立った上で、クラシック最後の秋華賞(G1)で「三強」の最終対決に挑みたいところだろう。この春、好調の池添謙一騎手の存在も頼もしい限りだ。
そんなシンハライトを退けるとすれば、完敗した桜花賞組よりも、むしろ桜花賞をパスした未対戦組の有力馬に期待したい。
中でも、オークストライアルとなるフローラS(G2)を快勝したチェッキーノ(牝3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)は、逆転が期待できるほどの器の持ち主かもしれない。
ここまでシンハライトと同じ4戦3勝。桜花賞トライアルのアネモネSを快勝しながらも、あえて桜花賞をパスして挑んだのが前走のフローラSだった。レースでは、不利と言われる大外枠のハンデを跳ね返し、メンバー最速となる上がり3ハロン「34.6秒」の末脚を繰り出して3馬身差の圧勝。全兄に皐月賞(G1)3着などクラシックで活躍したコディーノがいる良血だけに、一気にクラシック候補に浮上した。
鞍上はフローラSを勝ったC.ルメール騎手が先約の都合でエンジェルフェイスに騎乗するため、戸崎圭太騎手とコンビを組むこととなった。
忘れな草賞を勝った超良血馬ロッテンマイヤー(牝3歳、栗東・池添学厩舎)の計り知れないスケールは、すでに女王の風格を漂わせ始めている。
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