
【徹底考察】日本ダービー(G1) ロードクエスト「狙うはNHKマイルCの『再現』。800mの距離延長に対する『可能性』に迫る」

『考察』
NHKマイルC(G1)で勝ったメジャーエンブレムに3/4馬身差まで迫った走りは、まさにロードクエストが復活したと述べて良い内容だった。
皐月賞で8着に敗れて挑んだNHKマイルC。道中は腹を括って、後方16番手からの競馬。最後の直線に入ると迷わず大外に持ち出し、最後はメンバー最速の上がり3ハロン「33.8秒」の鬼脚を使ったが、わずかに届かなかった。
スタートの3ハロンが「34.3秒」前半の1000m通過が「57.7秒」。桜花賞(G1)を不本意な形で落としたメジャーエンブレムの外連味のない逃げは、彼女本来のハイラップを刻み続けている。
2番手を追走したシゲルノコギリザメは、完全に潰されて大差の最下位。好位から追走を試みた先行勢も軒並み大敗している以上、メジャーエンブレムにとってはこれがベストペースでも、他馬にとっては激流だったことが窺える。
そんな流れの中、後方16番手からメンバー最速の上がり3ハロン「33.8秒」を繰り出したロードクエストは、ハイペースで前が止まる展開の恩恵を大きく受けた一頭であることは間違いない。
ただ、それでも単に展開に恵まれただけでメジャーエンブレムに迫ることはできない。それは同じく後方から競馬をして、展開の恩恵を受けながらも敗れたトウショウドラフタやハクサンルドルフ以下の馬たちが証明している。
つまり、少なくとも言えることは、ロードクエストはNHKマイルCのメンバーの中では明らかに力上位の存在だったということだ。
ただ、それが明らかに格上となる日本ダービーの出走メンバーを相手にして通じるのかは、また別の話だ。
その上で、8着に敗れた皐月賞とは異なり、今回は東京競馬場で戦えることは紛れもない追い風だろう。
ロードクエストは衝撃的な内容だった新潟2歳S(G3)の勝ちっぷりを含め、左回りの競馬には大きな自信を持っており、現在のところ左回りでこそ真価を発揮する馬である可能性が高いからだ。
だが、まずその前に、それが単に左回りであればよいのか、それとも「左回りのマイル戦」でなければならないのかが、日本ダービーでの好走に大きく関わってくることは述べるまでもない。その答えを、まずは血統面から考察したい。
PICK UP
Ranking
11:30更新武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
「正直なところ辟易としています」武豊が巻き込まれた29年前のアイドルホース狂騒曲…レース前に明かしていた「コンビ結成」の裏話
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRAイチの「豪快王」小島太列伝。愛人、酒席トラブルあっても名騎手、名調教師の生き様に曇りなし
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 横山典弘「27年ぶり」ドバイ決戦へ。「自分の命と引き換えに僕を守ってくれた」盟友ホクトベガの死で止まった時間…今度こそ無事完走を
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
関連記事
【徹底考察】日本ダービー(G1) サトノダイヤモンド「皐月賞で振り払われた『幻想』。カリスマ性を失ったダイヤモンドは輝きを取り戻せるか」
【徹底考察】日本ダービー(G1) スマートオーディン「スマートオーディンは『キズナ』になれるのか?2013年のダービー馬との『決定的な違い』とは」
【徹底考察】日本ダービー(G1) ヴァンキッシュラン「歴代2位の好タイムだった青葉賞馬は『ジンクス』を打ち破れるか」
【徹底考察】日本ダービー(G1) ディーマジェスティ「レコード勝ちの皐月賞はフロックなのか? 皐月賞馬の『現在地』を考察」
【徹底考察】日本ダービー(G1) エアスピネル「皐月賞は『理由なき敗戦』ではない。だからこそ勝機がある」