【徹底考察】ローズS(G2) ジュエラー「最大のライバル・シンハライトとの力関係に迫る春2戦をプレイバック。ライバルにあって桜花賞馬に『足りないもの』とは」
ジュエラー(左)とシンハライト(右)「JBISサーチ公式サイト」より『考察』
桜花賞馬が、ついにターフに帰還を果たそうとしている。今春4月10日の桜花賞以来、約5カ月ぶりのレースとなるが、果たしてあの豪脚は健在なのだろうか。今後を占う上でも、今週のローズS(G2)の最大の焦点になることに間違いはない。
桜花賞制覇後、二冠制覇に向けて調整されていたジュエラーだが、左第1指骨の剥離骨折が判明。オークスを前に戦線離脱を余儀なくされた。
だが、幸いなことに症状は軽く、手術を経て8月18日に帰厩。そこから現在5本の追い切りを消化して、徐々に調子を上げている。「何の問題もなく順調。このまま上げていきたい」と管理する藤岡調教師は現在の状況に自信を持っているようだ。
では、仮に状態面に不安はないとして、それで最大のライバル・シンハライトに勝てるのかということが焦点になる。
春の対戦成績は1勝1敗。チューリップ賞(G3)、桜花賞(G1)という共に阪神外回りのマイル戦で行われ、着差も共にハナ差という絵に描いたような互角の勝負だった。
まずは、初対決となったチューリップ賞。お互いに1月半ばにレースを走っており、間隔もほぼ同じ。枠もジュエラーが5枠9番、シンハライトが6枠11番と大きな差はなかった。
レースは先週の紫苑S(G3)で2着したヴィブロスが引っ張る流れ。1000m通過が58.9秒と、この時期のトライアルとしてはまずまず速い流れをジュエラー、シンハライト共に後方10番手付近を並走。ジュエラーが内、シンハライトが外といった格好だった。
レースが大きく動いたのは最後の直線に入ってからだった。馬群を捌くために外に持ち出そうとしたジュエラーをシンハライトが蓋をしに掛かったが、手応えの怪しくなってふらついているウインファビラスをかわすために、シンハライトも大きく外へ。その僅かな隙間にジュエラーが入り込むと、2頭の叩き合いとなった。
残り200mを切って、前を走っていたラベンダーヴァレイが抜け出したが、外から叩き合ったままのジュエラーとシンハライトが強襲。後続を突き放してマッチレースのままゴールに飛び込んだ。
結果はシンハライトのハナ差でレコード勝ち。ほぼ同じ位置取りから、まったく同じ上がり3ハロン33.0秒の末脚を繰り出せば、当然並んでゴールする。レースこそシンハライトが勝ったが、その内容は完全に互角といえるものだった。
その結果は、続く桜花賞の単勝オッズでも如実に表れている。1番人気こそ2歳女王のメジャーエンブレムに譲ったが、チューリップ賞を勝ったシンハライトが4.9倍、ジュエラーが5倍ちょうどと、オッズの点でも2頭はまったくの互角だった。
レースはメジャーエンブレムが控えるというまさかの展開だったが、1000mの通過は59.1秒と、58.9秒だったチューリップ賞とほぼ変わらないペース。
逆に大きく変わったのが2頭の位置取りで、スタートで出遅れたジュエラーがほぼ最後方、逆にシンハライトはメジャーエンブレムを意識してか、前走よりはやや前目の中団に位置していた。
最後の直線に入ってまず抜け出したのは、やはりメジャーエンブレムだった。だが、それにシンハライトがすぐに並び掛ける。たが、シンハライトの鞍上・池添謙一騎手にとって、ただひとつ計算外だったのは、併せ馬として期待していたメジャーエンブレムがそうそうに脱落したことだ。
レース後、池添騎手が「先頭に立つのが少し早く、それだけが誤算でした」と悔しそうに振り返っているように、先頭に立ったシンハライトは一頭になったことで、明らかに脚色が衰えた。ソラを使ったとまでは言わないが、それがジュエラーのつけ入る隙になったことは間違いない。強襲を許し、2頭が並んだところがゴールだった。
長い写真判定の末、勝ったのはジュエラー。上がり3ハロンはチューリップ賞と同じ33.0秒でもちろんメンバー最速。逆にシンハライトは勝ちに言った分、最後が甘くなった。だが、それでも着差はハナ差。やはり、ほぼ互角の勝負といえるだろう。
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