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ぼくらはあの頃、アツかった(22) 唐突に覚めた情熱。パチスロと人生はカバディに似ている。

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 その頃のパチスロ頻度は月に一度か、あるいは二ヶ月に一度程度にまで落ちていた。
いよいよである。引退直前だ。まさかこんな事になるとはあの『ビジトジ』を打った日の朝まで想像もしていなかった。

 いや別にビジトジが悪いわけではない。むしろあれは面白い台だったと思う。思うに、それまでスロのレバーを叩く度に発生していた振動が右手を伝わって脳かどこかに蓄積して、やがて金属が長年かけて疲労していくように、ポキリと折れるか、グシャリと潰れるかしたのだろう。たまたまそのグシャリが来たのがビジトジを打っていただけのことで、別の台でも同じ結果になったと思う。繰り返すがビジトジは良い台だった。ザキヤマの演出が多少イラッとするだけで。

 空虚な時代の終わりもまた、唐突だった。

 ある日、久方ぶりにホールに行って、何となく座ったのがタイヨーエレックの『パチスロBLOOD+』だった。もちろん初代の方である。一応話題の台に関してはチェックを入れ続けていたので仕様は知っていた。チェリーでパンクするタイプのART機だ。凪いだ心で座る。コインサンドに千円札を喰わせる。メダルを投入してレバーを叩く。投資。投資。投資……。

 何枚目かのお札が消えた所で、スイカ同時当選のボーナスが来た。200枚程度が返ってきた所で「負債がちょっと減るだけだな」と心の片隅で思いながら消化していたら、そのままARTに突入した。なにやら抽選を突破したらしい。

 色ナビに従いチェリーを外す。あるいは、メイン小役を揃える。

『パチスロBLOOD+』はメイン小役を揃えるたびに主人公の小夜が派手な雄叫びを上げる。デアッ! デアッ! ウァリャーッ! みたいな感じだ。ファイナルファイトに出てくるマイク・ハガー市長が雑魚敵にパイルドライバーする時の音を高速再生させたらちょうど同じ感じになると思う。途中で三択の上乗せを何度か当て、一時間くらいひたすらデアデアしていたら、なんだかとても楽しい気分になっていた。

 あ。パチスロ楽しい。

 そう気づいてから、鼓動が跳ねる感じがした。帰ってきた、と思った。パチスロとの蜜月が、唐突に帰ってきたのだ。別に『パチスロBLOOD+』じゃなくても良かったのかもしれない。疲労骨折したパチスロへの情熱が、2年近い歳月を経てゆっくりと癒やされたのだろう。ちょうどその完治のタイミングが、その日だっただけである。

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