パチンコ「圧倒的」ヒットメーカーの超・大名機!! まさに円形劇場!?……【名機列伝】

　というのも、西の町はどことなく「おしゃれ」や「上品」めいた雰囲気を醸し出してきやがるのである。

　一応テリトリーというか、地元と呼べる範囲内である2駅まではそんな感情が芽生えることはないのだが、2駅目を超えた途端になんかもう町の空気がすました感じになるのである。実際にはそんなことはなく、むしろ普通くらい普通なのであるが、東が特殊すぎるので、そのギャップにやられるのである。

　その東方面は下町情緒が行き過ぎているくらいの地域で、地理的には最寄り駅から川を挟んだ向こう側になるのだが、川を超えると徐々に別世界に変容していくのである。その世界は私のようなクズ人間を優しく抱擁してくれるので、すこぶる居心地が良いのだ。

　ぐだぐだうるせーな、じゃあずっと東に行ってろよと言いたくなる気分であろうが、そこはやっぱりパチンコを打つからには勝ちたいわけである。有利になる「かもしれない」ならばそちらを選ぶのがパチンカーというものであろう。

「うわー、若い身空でパチンコ屋なんか入って行くわよ。ウチの子があんなんにならなくてよかったわ」とでも言わんばかりに薄汚いものを見るような視線を送りそうな小綺麗なマダムの横をやり過ごしながら『サーカスIII』とご対面。

　寄せては返すパンク地獄に悪戦苦闘。大当り中のBGMになぞらえた「ラウンド継続よ、永遠なれ」の想いも虚しく下皿モミモミ展開で、あえなく離席。

　直後に座ったオヤジが100円で大当りからの完走2000発を皮切りに、あっという間の打ち止め炸裂。とんだピエロである。

（文＝大森町男）