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JRA武豊インティは「何故」逃げなかったのか? 「らしくない競馬」フェブラリーS(G1)で崩壊した「2つのプラン」

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返し馬でもテンションの高さを見せていたインティ

「何故、逃げなかった……」そんな声が聞こえてきそうだ。

 23日、東京競馬場で行われたフェブラリーS(G1)は、1番人気のモズアスコット(牡6歳、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝。16番人気のケイティブレイブが2着と波乱を演出したが、3番人気のサンライズノヴァが3着に入ったことで、三連単は46万馬券に留まった。

 そんな中で最後まで不完全燃焼だったのが、2番人気に支持されながらも14着に大敗したインティ(牡6歳、栗東・野中賢二厩舎)だ。

「全然、らしくない競馬だった……」

 レース後、主戦の武豊騎手は開口一番でこう切り出した。昨年のフェブラリーS勝利、さらにはトップクラスの実力を見せつけたチャンピオンズC(G1)……「逃げてこそ」真価を発揮するインティが、一度もハナに立てないまま最後の直線でもズルズルと後退。ほぼ無抵抗のままレースが終わってしまった。

 戦前、スピード型の逃げ馬ドリームキラリが除外となったことで、多くのメディアが「展開面でインティ有利」と単騎で逃げ切った昨年の“再現”を予想した。直前の最終追い切りでも栗東の坂路で自己ベストをマーク。陣営も「このひと追いで整った」と万全を強調していたはずだが……。

「もともと逃げ馬の割にスタートが速くないインティですが、この日もゲートの出がイマイチ。半馬身ほど出負けしたことで、両隣にいたタイムフライヤーとミッキーワイルドに挟まれたことが痛かったですね」(競馬記者)

 やや遅れ気味のゲートを抜群のダッシュ力でカバーしたかったインティだが、その直後に両隣から進路を締められる不利。武豊騎手もとっさに割って入り進路を確保したが、その一瞬のスキにワイドファラオとアルクトスに前に出られてしまった。

「3枠5番が決まった際、陣営も『逃げるなら、いい枠』と、逃げる競馬は最有力の選択肢だったと思います。ただ、今回はワイドファラオとアルクトスの主導権争いがかなり激しかった。

武豊騎手にしても、あの展開で強引にハナを切る選択肢はなかったと思います。前走の東海S(G2)で好位から、それなりの競馬ができた(3着)ことも当然頭にあったと思いますよ」(同)

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