
JRA「レジェンド武豊」とサウジで際立った存在感!「海外遠征のパイオニア」新設重賞に条件馬を送り込む名采配
新設されたサウジカップの1着賞金11億が話題になりがちだが、海外遠征でおなじみのコンビがまたしても快挙を成し遂げた。サウジカップデーに挑んだ「海外遠征のパイオニア」森秀行調教師とレジェンドジョッキー武豊の最強タッグが、その存在を世界にアピールした。
まだ条件馬だったフルフラット(牡3・栗東・森秀行厩舎)と挑んだサンバサウジダービーでは日本馬初勝利を決めると、続けてサウジアスプリントをマテラスカイ(牡6・栗東・森秀行厩舎)であわやの2着と下馬評を覆す大活躍を見せた。
2頭を管理する森秀行調教師は、次走についてフルフラットはUAEダービー、マテラスカイはゴールデンシャヒーンと共にドバイへ向かいたいと表明した。
またしてもこのコンビが魅せた。近年では国内で実績を上げた馬が、海外のレースへ挑戦することは珍しくない時代ではなくなった。だが、G1馬でなくとも適性があると判断して結果を残すのは、これまで培った森師のノウハウがあってこそだろう。
当然ながら今回の挑戦もフルフラットは昨年11月のブリーダーズCジュベナイル、マテラスカイはこれまでもドバイ、ブリーダーズCスプリントで遠征経験をさせていた馬である。
失敗したら赤字になる。そのためにオーナーの理解は不可欠だ。期待に応えるためにも森師は試行錯誤を重ねた。古くはフジヤマケンザン、シーキングザパール、アグネスワールドでの経験が揺るぎない礎となった。
初の海外遠征は開業翌年の1994年まで遡る。フジヤマケンザンで挑戦した香港国際カップ(香港Cの前身)だった。4着に敗れはしたが翌年に再挑戦し、見事、海外G1初制覇を成し遂げた。その後も1998年にはシーキングザパールでモーリス・ド・ゲスト賞を勝って日本調教馬による欧州G1初制覇の偉業を達成。2年後の2000年にはアグネスワールドでジュライCを勝って「日本馬は強い」と欧州に知られるきっかけを作った。
当時は海外遠征する馬は珍しい時代である。遠征するには多大な費用もかかり、失敗したら赤字になるリスクがあった。そんな中でも着実に経験と実績を積み重ねての今がある。
日本は他国に比べて賞金も高額なこともあり、わざわざリスクの大きい海外遠征は望まれない風潮はまだまだ根強い。
だが、名誉を得るためには、高い登録料を払ってでも行くべきというのが森師の理念であり、ポリシーともいえる。積極的に海外競馬で日本馬の強さをアピールすることで、海外からどんどん馬を買いに来てもらえて、日高も含めて競馬産業が盛り上がる。森師はそう、信じて疑わない。
そしてそれをサポートするのが、海外遠征には欠かせないレジェンド武豊の存在。
次にこのコンビが見られるのは3月のドバイとなる。今度はどんな驚きを我々に見せてくれるだろうか。
PICK UP
Ranking
17:30更新横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 「正直なところ辟易としています」武豊が巻き込まれた29年前のアイドルホース狂騒曲…レース前に明かしていた「コンビ結成」の裏話
- 【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 横山典弘「27年ぶり」ドバイ決戦へ。「自分の命と引き換えに僕を守ってくれた」盟友ホクトベガの死で止まった時間…今度こそ無事完走を