
JRAフアナ「不運・不利の連続」でもデアリングタクトに“1馬身差”!? ローズS(G2)角居厩舎の「秘蔵っ子」が両親譲りの末脚炸裂か
20日、今年は中京競馬場で行われるローズS(G2)に、注目のフアナ(牝3歳、栗東・角居勝彦厩舎)が出走を予定している。
デビュー前からその素質を高く評価されていたフアナ。今年1月の新馬戦は2着に敗れたが、勝ったのは「6億円馬」アドマイヤビルゴという不運もあった。その後、3月の未勝利戦を楽々と勝ち上がると、オークス(G1)出走を懸けてフローラS(G2)に挑戦した。
外枠絶対不利の東京芝2000mで、引いた枠は17頭立ての8枠16番。“枠運”にも見放されると、スタートで後手を踏んでしまう。さらに道中は他馬と接触し、最後の直線でも窮屈になる場面が……。まさに不利だらけの展開となったが、直線残り200m地点で前が開くと、しっかり末脚を伸ばし、ウインマリリンから「クビ+クビ」差の3着に食い込んだ。
「惜しくもオークス出走権を逃しましたが、ウインマリリンが本番のオークス(G1)で2着に好走したことでフアナの株は高騰しました。オークスでのウインマリリンとデアリングタクトの差が半馬身だったので、ウインマリリンを物差しにすれば、フアナとデアリングタクトとの差は“約1馬身”ということになります。すべてが悪い方向に転んだフローラSで、デアリングタクトに推定1馬身差なら、2冠牝馬と同等のポテンシャルを秘めていると言ってもいいかもしれません」(競馬誌ライター)
フアナの評価をさらに上げたのが前走、小倉での自己条件戦(1勝クラス)だった。フローラSから約4か月ぶりの実戦に臨んだレースで、デビューから減っていた馬体は+28kgと休養を挟み、しっかり成長していた。レースでは、ハイペースのなか先団を見る形で好位を追走。4コーナーで先団を射程に入れると、内で抵抗するカレンシュトラウスをクビ差振り切った。着差はわずかだったが、秋を見据えて、馬体に余裕を残しての完勝劇に陣営は手応えを感じたに違いない。
来年2月末で引退が決まっている角居勝彦調教師にとっては、来月の秋華賞が自身最後の“3歳牝馬のG1レース”ということになる。鞍上にC.ルメール騎手を配したことは、角居調教師の本気度の表れだろう。そして、血統面でもフアナは角居調教師の思い入れが強い1頭のはずだ。
「フアナの父ルーラーシップと母イサベルは、ともに角居厩舎で競走馬生活を送りました。ルーラーシップは5歳春に香港のクイーンエリザベスC(G1)を制覇しましたが、国内では結局一度もG1タイトルを手にすることはありませんでした。
母イサベルも期待は大きく、キャリア2戦目でフローラSに挑戦し、2番人気に推されたほどです(結果は7着)。結局、4歳秋まで走り、準オープンクラスまで昇級しましたが、重賞挑戦は結局1度だけで繁殖入りしました。フアナは、角居調教師が丹精込めて育てた2頭の仔です。期待はかなり大きいでしょうね」(同)
そんなフアナの持ち味がこれまで全4戦で上がり最速を記録している末脚だ。ルーラーシップのそれは言うまでもないが、母イサベルもキャリア10戦中9戦で上がり3位以内という末脚の持ち主だった。
まだ1勝クラスを勝ったばかりではあるが、両親から譲り受けた末脚が炸裂すれば、引退前の角居調教師にビッグタイトルを贈る可能性は十分あるだろう。
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