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JRA「人気の逃げ馬に競りかけるな」の不文律!? スプリンターズS(G1)ビアンフェに賛否……モズスーパーフレアに絡んだことは「暴走」なのか?

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 スプリンターズS(G1)は、C.ルメール騎手のグランアレグリアが優勝。1番人気が鮮やかな差し切り勝ちを収めた一方、その“お膳立て”をしてしまったのが、2番人気だったモズスーパーフレアと11番人気のビアンフェだ。

 レースでは果敢にハナを奪いに行ったモズスーパーフレアに、ビアンフェが執拗に競りかかっていく。この日の中山は最終週ということもあり、比較的時計が掛かる馬場だったが、前半3ハロンのラップは32秒8を記録するなど、この2頭のハナの奪い合いがオーバーペースを作り上げてしまう。

 結果的にモズスーパーフレアは10着に終わり、ビアンフェも殿負け。2頭から離れた3番手で進んでいたラブカンプーも15着に終わるなど、先行勢が不利な流れとなった。これがグランアレグリアはもとより、後方待機策を取った10番人気の伏兵アウィルアウェイの3着につながったと見ていいだろう。

 ビアンフェのある意味積極的な競馬も、ハイペースを演出する遠因になった今年のスプリンターズS。そのため、レース直後から、SNS上では「人気の逃げ馬潰した」「絡まれなかったら結果は違った」などの声も出た。結果的に二桁人気の穴馬が人気馬に不利な展開を呼び込んだことに対し、不満を持ったファンもいたようだ。

 これは昔から競馬界に、『人気の逃げ馬に競りかけるな』という“暗黙の了解”があることも影響しているだろう。これまでもこの“不文律”が破られたために、人気馬が苦戦を強いられたケースもあった。

 古くは逃げ馬ミホノブルボンが3冠を懸けて出走した菊花賞(G1)だろう。前走で控えて敗れたキョウエイボーガンの陣営が、本番では「是が非でもハナを譲らない」と宣言し、玉砕覚悟の逃げを選択。その結果、早々に力尽きて16着に終わり、マイペースの逃げを打てなかったこともミホノブルボンが、ライスシャワーの2着に敗れた理由と無関係ではないだろう。レース後、キョウエイボーガンの陣営にはファンからも非難の声があがった。

 また近年でも15年のチャンピオンズC(G1)で逃げた1番人気のコパノリッキーに序盤からライバルが競りかかった。絡んできた馬は下位に沈み、また厳しい展開となったコパノリッキーも7着。レース後に騎乗した武豊騎手は、「勝負だからしょうがない」としながらも、「意味が分からない絡まれ方をされて、無駄脚を使わされた」、「絡まれるともろいという弱点が出てしまった」と語るなど不満をあらわにしていた。

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「ビアンフェの藤岡佑介騎手は前走のセントウルS(G2)で5着後、無理にハナを奪いに行かずに控えた競馬をして収穫があったと語っていました。それだけに『なんで今回は無理をしたんだ』と考える人はいたでしょうね。

ただビアンフェはスタート前に入れ込みすぎてしまい、ゲートに入ることもままなりませんでした。結局、そのため発走が遅れてしまったほどです。そのような状態になってしまったら、抑えるのは不可能。勝つためにもハナ争いをせざるを得なかったのかもしれません」(競馬誌ライター)

 内に入った馬が先手を取った場合に、内ラチを開けて安全確保するため、外の馬が控えることはあるが、逃げ馬が人気だからといって競りかけることを禁止する明確なルールは当然ながらない。

 またレースは控えたグランアレグリアが勝利したが、2着に入ったダノンスマッシュの川田将雅騎手は、「今日は相手がはるかに強かった」と勝者を称え、4着ミスターメロディの福永祐一騎手も「上位の馬の決め手は凄かった」と振り返っている。展開も勝敗を分ける一因だが、今回はグランアレグリアが一枚上手だったと見るべきだろう。

 だが、今回は敗れたもののモズスーパーフレアもまだ底を見せたわけではない。次のレースでまたグランアレグリアらと熱い戦いを見せてもらいたいものだ。

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