
JRA戸崎圭太「公開処刑」を乗り越え“因縁”に終止符!? 朝日杯FS(G1)大本命レッドベルオーブのデビュー戦で味わった「屈辱」とは
20日に阪神競馬場で行われる今年の朝日杯フューチュリティS(G1)は、連勝中のレッドベルオーブ(牡2歳、栗東・藤原英昭厩舎)が大本命となることが濃厚だ。
デビュー2戦目で見せた3馬身半差の初勝利は、従来のレコードを1.1秒も更新するスーパーレコード。さらに兄弟制覇となった前走のデイリー杯2歳S(G2)でもレコードを更新し、兄レッドベルローズが果たせなかった2歳王者君臨へ、すでに王手をかけていると述べても過言ではないだろう。
そんな大本命馬と“因縁”を持つジョッキーがいる。ショックアクション(牡2歳、栗東・大久保龍志厩舎)とのコンビで逆転を目論む戸崎圭太騎手だ。
戸崎騎手にとってレッドベルオーブとの出会いは、まさに屈辱感に塗れたものだった。
8月の新潟で行われたレッドベルオーブのデビュー戦。その鞍上には戸崎騎手がいた。兄にデイリー杯2歳Sの勝ち馬がいる良血馬は、デビュー前の高い評判もあっての1番人気。管理する藤原英昭厩舎にとっても、大きな期待を掛ける存在だった。
しかし、レースは中団から上がり3ハロン最速となる末脚を繰り出したものの2着……。
レース後に戸崎騎手が「ポテンシャルの高さは感じましたが(アクセルを)踏み遅れてしまったのが悔やまれます」とミスを認めた通り、不完全燃焼の競馬。昨年11月のJBCレディスクラシック(G1)での落馬負傷を乗り越え、今年5月に復帰した戸崎騎手だったが、6年連続関東リーディングに輝いた手腕はどこか鳴りを潜めていた。
この結果に納得できなかったのが、レッドベルオーブを管理する藤原英昭調教師だ。
「あれだけスタート出たのなら、もっと前に行かないと……」
本馬が所属する東京サラブレッドクラブの公式HPで、藤原調教師は「ジョッキーが調教に乗っていないので、気を使いながら折り合い重視になってしまった印象」と、戸崎騎手を叱責。最後には「乗り方ひとつで勝てていたでしょう」と厳しい言葉を並べた。
この結果、次走から福永祐一騎手に乗り替わりとなったレッドベルオーブは、先述したレコード連発の快進撃で、一気に朝日杯FSの大本命馬に上り詰めた次第である。
戸崎騎手と藤原調教師といえば今夏、志半ばで引退した皐月賞馬エポカドーロが思い出される。2018年の皐月賞(G1)を勝った名コンビでもあるが、それ以上に半馬身及ばなかった日本ダービー(G1)の敗戦は2人にとっての“宿題”だ。
藤原調教師が厩舎期待のレッドベルオーブを戸崎騎手に託したのも、そんなエポカドーロのリベンジの気持ちがあったのかもしれない。レース後にあれだけ戸崎騎手を叱責したのも、人馬に対する大きな期待があってのものだろう。
ちなみに戸崎騎手に替わってレッドベルオーブの主戦を務める福永騎手は、かつてエポカドーロのダービー制覇を阻んだワグネリアンの鞍上でもある。
だが、一方の戸崎騎手もただ“殴られっぱなし”だったというわけではない。
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