JRA ダートの怪物が武豊メイケイエールと激突の可能性!? 陣営も期待するスプリンターとしての素質、路線変更でデュランダルの血が目覚めるか
「オークスには行きません。馬の状態次第ですが、(次は)スプリントになるのかなと思います」
そのように武英智調教師が語ったのは、自身が管理するメイケイエール(牝3歳、栗東・武英知厩舎)についてだ。
武豊騎手が主戦を務めるメイケイエールは、デビューから1200m戦を2連勝。気性的な脆さを抱えつつも、クラシックを目指し距離延長が試されてきた。
しかし、前走の桜花賞(G1)では、出遅れた上に道中は全く制御が利かず18着の惨敗。レースでは向正面で外側に斜行し、ミニーアイルとソングラインの進路を妨害したことから銜(ハミ)受け不良で平地調教再審査が課されている。
過去にはオルフェーヴルが2012年3月18日の阪神大賞典(G2)で、2周目の3コーナーで外側に逸走。平地調教再審査が課されているが、その際には4月11日に合格し、次走4月29日の天皇賞・春(G1)へ出走していた。
「オルフェーヴルの際も1カ月以内に再審査に合格していましたから、順調にいけばNHKマイルC(G1)も出走可能だったと思われますが、メイケイエール陣営のコメントからはスプリント戦が濃厚のようですね。武豊騎手が主戦でかかり癖があるといえば過去のアストンマーチャンにそっくりですし、メイケイエールにもG1制覇を期待したいところです」(競馬記者)
2007年の桜花賞では中団に控えたアストンマーチャンだったが、レース途中から我慢し切れずに押し上げ直線で失速。復帰戦となった4カ月後の1200m戦・北九州記念(G3)では6着と敗れたが、続くスプリンターズS(G1)を優勝している。
一方で、先週18日に中山競馬場で行われた京葉S(L)を勝利したダンシングプリンス(牡5歳、美浦・宮田敬介厩舎)も、陣営が路線変更を視野に入れている1頭だ。
同馬はJRAの芝レースで2戦するも、勝ち上がれずに地方の船橋競馬でダートのレースに参戦。3戦全勝でJRAに出戻ると、連勝を6まで伸ばした実力馬だ。
「芝のレースなども選択肢に入れて考えていきたい」
そのように語った宮田敬介調教師。デビュー戦となった小倉の芝1200m戦でも2着と適性を見せていただけに、力を付けた今なら芝レースで通用しても不思議はない。
ダート戦で結果を出しているダンシングプリンスだが、父パドトロワは短距離の芝重賞で3勝したスプリンター。近親には2003年のスプリンターズSを勝利して、同レースで3年連続連対を果たしたデュランダルもいる。
芝レースへの路線変更となれば、再び芝1200mのスプリント戦に使われることが濃厚。振り返れば、アストンマーチャンが勝利した2007年のスプリンターズSも2着のサンアディユはJRAのダートで3連勝した馬だったのだから、2頭が対決する現実味は十分にあるだろう。
芝マイルから距離短縮するメイケイエールと、ダート短距離から芝へ転戦するダンシングプリンス。スプリント戦線に殴り込みをかける2頭の活躍に注目したいところだ。
(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。
PICK UP
Ranking
17:30更新- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
- 【天皇賞・春】横山典弘「前ポツン」にファンは狂喜乱舞? 20年前の逃亡劇再現あるか……マテンロウレオ陣営も不気味なコメント
- JRA「出禁」になったO.ペリエ「税金未払い」騒動!? L.デットーリ「コカイン使用」K.デザーモ「アルコール依存症」過去の”外国人騎手トラブル”に呆然……
- 【天皇賞・春(G1)】武豊×ドウデュースの復活勝利も霞むC.ルメールの神騎乗! 「死枠」克服を完璧に読み切った古馬王道路線の鬼が降臨
- C.ルメール「ダービーは絶対大丈夫」復帰いよいよ秒読み! ドウデュース武豊と同じく騎乗数セーブ予想も…春G1で復活インタビューとなるか
- “ルメール依存症”が日本ダービーにも影響?春のG1シーズンで思わぬ誤算…「28連敗」の敏腕トレーナーに試練のトライアル
- 【天皇賞・春】関東クラシック馬タスティエーラ、ドゥレッツァVS関西テーオーロイヤル、ディープボンドら最強ステイヤー軍団。激戦の鍵を握る“第3の刺客!?”
- 【天皇賞・春】菱田裕二「師弟コンビ」で悲願の初G1制覇へ! 川田将雅、C.ルメール不在もチャンス、「勝率5割」のデータが人馬を後押し
- JRA「一寸先は闇」のような勢力図の激変…注目集めた若手同期の明と暗、あの「お騒がせ騎手」が佐々木大輔に続くブレイク?
- 本命馬が出遅れたら「自分の勘を疑うべき」なのはなぜか?キャプテン渡辺が考える「今日はダメだサイン」2つ【徒然なる神のくず競馬トーク】
関連記事
JRA三浦皇成「天国と地獄」歓喜の重賞制覇も笑顔消えた!? ヒーローから一転、単勝1.9倍飛ばすヒールに…… 快進撃止まった期待馬に立ちはだかった壁
元JRA安藤勝己氏に「騎手引退」を決意させた惨敗から9年。地方からの怪物ダンシングプリンスの「芝挑戦」に託された思い
JRAカペラS(G3)「ダートの怪物」ダンシングプリンス過大評価は禁物!? 7連勝の期待かかるも…… 前走パフォーマンスに危険な匂い
JRA藤田菜七子「初重賞」レースに超豪華メンバー集結!? サウジから異例の「トライアル指名」に、ダート界の超新星「6連勝中」ダンシングプリンス参戦も
JRAダンシングプリンス「モズスーパーフレア超え」驚異的スピードで6連勝! ダートの怪物、3戦連続「芝スタート」に感じる可能性に陣営は……