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JRA デアリングタクトに「早熟説」再浮上!? 牝馬相手に敗れたクイーンエリザベス2世C(G1)、最強牝馬争いから大きく後退

JRA デアリングタクトに「早熟説」再浮上!? 牝馬相手に敗れたクイーンエリザベス2世C(G1)、最強牝馬争いから大きく後退の画像1

 25日、香港のシャティン競馬場で開催されたクイーンエリザベス2世C(G1)は、C.ホー騎手の3番人気ラヴズオンリーユーが優勝。3着に敗れたドバイシーマクラシック(G1)から転戦した香港の舞台で、19年のオークス以来となる待望のG1・2勝目を飾った。

 日本調教馬が上位4着以内を独占する快挙に沸いた一方で、苦境に立たされたのが松山弘平騎手のデアリングタクト(牝4、栗東・杉山晴紀厩舎)だろう。

 ギベオンに逃切りを許した前走の金鯱賞(G2)は、雨の影響もあって前残りする馬場で、まだ”展開のアヤ”といえる敗戦だった。

 しかし、休み明けを叩かれた今回は巻き返しを期すデアリングタクト陣営にとっても負けられない戦いだったに違いない。昨年の牝馬三冠を無敗で制した実力馬の勝利を期待するファンも単勝1.7倍の圧倒的1番人気に支持した。

 レースは7頭立ての少頭数。最内から好スタートを決めたデアリングタクトを松山騎手は3番手につける積極策を選んだ。直後の外目につけたラヴズオンリーユーがこれをマークする展開。キセキはインの5番手から追走し、グローリーヴェイズは6番手の後ろから脚を溜める。

 隊列に大きな変化もないまま、淀みなく流れたレースに変化があったのは残り700mを過ぎた辺り。徐々にペースが上がり、追い上げを図るデアリングタクトにラヴズオンリーユーが呼応。最後の直線に入り、粘るタイムワープを交わしたデアリングタクト目掛けてラヴズオンリーユーが襲い掛かった。

 残り100mで叩き合いを制したラヴズオンリーユーが抜け出して先頭でゴール。大外を伸びたグローリーヴェイズが2着に入り、ゴール前で力尽きたデアリングタクトは3着と敗れた。

「先着を許した2頭は決して弱い馬ではありませんから、3着に敗れたといっても悲観するほどではないように思えます。ですが、三冠牝馬であるデアリングタクトが同じ牝馬のラヴズオンリーユーに敗れ、近2走で先着していたグローリーヴェイズにリベンジを許してしまったこと非常に残念です。

これでデアリングタクトはジャパンCから3連敗。アーモンドアイが引退し、最強牝馬の後継者争いが繰り広げられる中、大きな後退を印象付ける敗戦でした。次走は宝塚記念(G1)が濃厚と見られていますが、非常に厳しい立場に置かれることになりました」(競馬記者)

 悪い内容ではなかったとはいえ、どうしても物足りなさを感じてしまうのはやはり「無敗牝馬三冠」という称号の重みからだろう。このままでは早熟説が囁かれても不思議ではない連敗である。

 昨年、共に三冠を制したコントレイルも大阪杯(G1)で3着に敗れたばかり。今年に入って牡牝の三冠馬が精彩を欠いている現状は、宝塚記念をより難解なレースにさせそうだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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