
JRA 川田将雅「これからどう成長してくるか楽しみ」 厩舎ゆかりの血統で5億円ホースを一蹴!名門牧場「走ってもらわないと困る」と評価する2歳馬とは
9日、阪神競馬場で行われた5R・2歳新馬戦は、川田将雅騎手の3番人気アートハウス(牝2歳、栗東・中内田充正厩舎)が勝利。話題の2歳馬が集った新馬戦を3馬身差の圧勝で飾った。
12頭の若駒で争われた芝2000m戦。このレース最大の注目は昨年のセレクトセールにて、5億6100万円(税込)で取引されたショウナンアデイブ(牡2歳、栗東・高野友和厩舎)だ。
1歳セリ史上最高額をマークした大器について、管理する高野師や鞍上の浜中俊騎手はレース前から大きな期待を感じさせるコメントを出していた。その影響か、競馬ファンから高い支持を受けて単勝オッズ2.3倍の1番人気に支持された。
一方のアートハウスは単勝オッズ4.3倍の3番人気。ショウナンアデイブには及ばないが、「しっかりとした印象」という厩舎の高い評価や母がG1・2着馬ということで、ファンから支持を受けたようだ。
気になるレース内容だが、スタートは対照的。アートハウスが12頭中1番と言っても過言ではない好スタートを切ったのに対し、ショウナンアデイブはゲートの出も二の脚も一息だった。
シャンバラが1000m通過64秒のスローペースで逃げる展開のなか、アートハウスは2番手、ショウナンアデイブは後方2番手から追走。
勝負所の3・4コーナーに差しかかると、ショウナンアデイブが勢いよく進出を開始し一気にペースアップ。4コーナーではアートハウスの外に忍び寄る3番手の位置まで上昇した。
しかし、直線に入ると番手の好位で脚を溜めていたアートハウスが一気にスパート。ショウナンアデイブら後続をグングン突き放し、最後は川田騎手が後ろを振り返るほどの余裕があった。
レースを終えた川田騎手は「お母さんよりバランス良く走ってくれました。これからどう成長してくるか楽しみです」と、高く評価している様子だった。
川田騎手が言うアートハウスの母とは厩舎の先輩であり、2016年秋華賞(G1)2着のパールコードだ。今ではグレナディアガーズなどG1馬を多数輩出するトップステーブルとなった中内田厩舎だが、開業3年目当時はまだこれといった活躍馬はなし。そんな黎明期の中内田厩舎を支えたのがパールコードと同馬主戦の川田騎手だった。
厩舎ゆかりの血統で5億円ホースを一蹴したレースについて、中内田厩舎は「リズム良く運べて上手に走ってくれました。ビュンと切れる脚はないので距離は長い方がいいでしょうね。これから経験を積ませ、うまく成長を促していきたい」と、レースの感想と今後の意気込みについて語った。
5億円ホースに話題性では負けたが、現在生産者リーディング4位の三嶋牧場から「走ってもらわないと困る」とまで言わしめた素質馬。アートハウスが今後中内田厩舎の手によって成長し、母が獲れなかったG1タイトルを掴めるか。その動向から目が離せない。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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