
JRA 石橋脩「申し訳ありません」 前走8馬身差Vの単勝1.5倍が不運の「ドン詰まり」惨敗にファンから呆れ声
10日、東京競馬場で行われた8R・3歳上2勝クラスは、三浦皇成騎手の2番人気スーパーフェイバーが勝利。
テン乗りで勝利へ導いた三浦騎手はレース後「伸びしろがあるので、これからが楽しみです」と、嬉しさを見せた。
一方「申し訳ありません」と、謝罪の言葉を述べたのが1番人気のダノンラスター(騙5歳、美浦・堀宣行厩舎)で4着に敗れた石橋脩騎手だ。
今回が昇級戦のダノンラスターだが、中山のダート2400m戦を8馬身差で圧勝した前走が評価されて1番人気となった。
この時も騎乗していた石橋騎手は「この競馬ができれば上のクラスでも楽しみです」と期待を膨らませていたように、自信を持って挑んでいたに違いない。
5歳ながら休み休み使われていたこともあって今回がまだキャリア10戦目。堀師が「レースのダメージとカイ食いの細さから続戦できなかった馬ですが、7日の調教後で463キロ。出走を決めました」と、話すほど状態は良好。実際、当日の馬体重はプラス8キロと馬体を増やしていた。
最終的に単勝オッズ1.5倍の圧倒的な支持を受けて挑んだ13頭立てのダート2100m戦。ダノンラスターと石橋騎手のコンビは、2枠2番から五分のスタートを切ると、好位の3番手を確保。道中は12秒台後半から13秒台のラップが続くスローペースのなか、前走のように途中で動かずインコースでじっくり脚を溜める。
そして迎えた最後の直線。後は末脚を炸裂させるだけのはずだったが、想定外の事態が待っていた。逃げるグレートバローズを避けて、進路の確保を目論むも2番手にいたコバルトブルーに内へと追いやられ、一旦は最内を狙うもグレートバローズに締められて前が塞がったまま。
道中がスローペースだった影響で、グレートバローズとコバルトブルーにまだ余力があったため、ダノンラスターはドン詰まりの状態で身動きがとれない状況になってしまった。
ダノンラスターがやっと進路を確保できたのはゴール直前。グレートバローズに離されたコバルトブルーとの間に僅かなスペースができたタイミングで突っ込んだものの、時すでに遅し。
外からトップスピードに乗ってスーパーフェイバーとバイシュラバナが強襲したこともあり、ダノンラスターは追い比べで競り負けて4着。断然人気馬の敗戦で2~4番人気の3頭決着ながら3連単の払戻は238倍の中波乱となった。
レース後、石橋騎手は、「スタートが決まったし、枠も枠だったので、下げる必要はないと思って前につけたんですけどね」と、前回と異なる作戦をとった経緯について説明した。
「結果的に道中5番手以内にいた馬が上位を占めた、前残りの展開でした。ですから、スタートを決めて先行したのは悪い作戦ではなかったと思います。
しかし、圧倒的な支持を得ていた馬でしたから当然周りのマークも厳しかったですね。コバルトブルーをはじめとした先行馬にブロックされて、思うように動けませんでした。
今回は運が悪かったとしか思えませんね……」(競馬誌ライター)
運悪く「ドン詰まり」してしまい敗れたシーンを目撃したファンの一部からは、ネットの掲示板やSNSで「酷すぎる」「叩かれても仕方ない……」といった石橋騎手の騎乗について不満の声が多く見られた。
「石橋騎手は『狙えるスペースがありませんでした。前さえ開いていれば突き抜けていたと思います。申し訳ありません』と、反省とも見えるコメントを出しています」(同)
石橋騎手はゴール前で十分な間隔がないのに先行馬を追い抜いたことを理由に、過怠金10万円の制裁を受けるなど踏んだり蹴ったり。それでも先月末に腰痛と左坐骨神経不全麻痺を発症しながら、すぐ騎乗を再開した不屈の精神の持ち主である。
ダノンラスターへ再び騎乗する機会があれば、気持ちを切り替えて石橋騎手の特徴であるダイナミックな騎乗で同馬を勝利へ導いてくれることに期待したい。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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