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JRA【有馬記念(G1)展望】史上初グランプリ4連覇へ、「女帝」クロノジェネシスVS「新王者」エフフォーリア!? 逃げたら怖いあの馬の出方は……

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クロノジェネシス

 暮れの風物詩でもある有馬記念(G1)が26日、中山競馬場で行われる。今年はラストランを迎える女帝VS 3歳牡馬という構図となりそうだ。

 昨年の宝塚記念(G1)からグランプリレース3連覇中、G1通算4勝の名牝クロノジェネシス(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は、このレースを最後に引退し、来春から繁殖入りすることが決まっている。

 今年は3月のドバイシーマクラシック(G1)から始動。ミシュリフ、ラヴズオンリーユーとの激戦となったが、クビ差ミシュリフに及ばず、海外G1制覇を惜しくも逃した。帰国後は宝塚記念を完勝し、秋は大目標にしていた凱旋門賞(G1)に駒を進めた。

 前哨戦を使わなかったことに賛否両論の声も上がったが、間隔を空けて臨むスタイルをここでも貫いた。レースでは好位追走から直線見せ場を作ったが、結果は7着。国内では重馬場巧者として知られるクロノジェネシスもさすがにフランス・パリロンシャンの重馬場をこなすことはできなかった。

 慣れない土地でのタフな競馬を経て、帰国後はさすがに疲れを見せていたというクロノジェネシスだが、栗東には今月2日に戻って順調に追い切りを重ねている。1週前には栗東CWで6ハロン82秒2-11秒7の好時計をマーク。併せた僚馬に約5馬身先着し、好調をアピールした。

 ただし斉藤師は「一番いい頃と比べると少し物足りない感じ。来週のひと追いで良くなれば」と『日刊スポーツ』の取材に答えており、まだ本来の出来には至っていないようだ。

 鞍上は宝塚記念勝利に導いたC.ルメール騎手が2度目の騎乗。今秋はラストランを勝利で飾る馬が多いが、クロノジェネシスもグランプリ4連覇で有終の美を飾れるだろうか。

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エフフォーリア 撮影:Ruriko.I

 そんなクロノジェネシスと人気を分け合うことが予想されるのは3歳世代の代表格エフフォーリア(牡3歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)だ。今年は皐月賞(G1)を完勝し、天皇賞・秋(G1)ではコントレイルとグランアレグリアを封じ込めた。新旧交代を告げるべく、クロノジェネシスと対峙する。

 キャリア唯一の敗戦はシャフリヤールに屈した5月の日本ダービー(G1)。その差は僅か「ハナ」で、道中はややスムーズさを欠き、位置を下げたことも最後に響いた。ただし、結果的に三冠目の菊花賞(G1)を使わなかったことは、今後を考えればプラスになるかもしれない。

 エフフォーリアが中山で走るのは皐月賞以来2度目。前回はタイトルホルダーに3馬身差をつけており、小回りも全く苦にしないだろう。不安があるとすれば初となる2500mという距離か。陣営が長距離の菊花賞を嫌って回避したことは、気になる材料かもしれない。

 今回は適性よりやや長く、コーナー6回も初めての経験となる。紛れが生じやすいトリッキーなコースだけに枠順も重要になりそう。できれば内目の枠を引き当てたいところ。もし外目の枠に入れば、伏兵に足をすくわれる可能性も考えられるだろう。

 前走後はノーザンファーム天栄でしっかりリフレッシュし、今月3日に美浦に帰厩。本番に向けて徐々にペースアップしている。

 1週前追い切りには横山武史騎手が騎乗し、美浦南Wで6ハロン84秒1-11秒8をマークした。ただし、横山武騎手は「気持ち的にもうちょっとピリッとする面があった方がいい」と陣営に伝えるなど、やや物足りなさを感じている点もあるという。

 最終追い切りで不安を解消できれば、女帝クロノジェネシスとの一騎打ちが濃厚だろう。

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タイトルホルダー 撮影:Ruriko.I

 エフフォーリア不在の菊花賞を制したのは、タイトルホルダー(牡3歳、美浦・栗田徹厩舎)だ。前哨戦のセントライト記念(G2)大敗からの巻き返しに見事成功し、現役屈指のスタミナの持ち主であることを証明した。

 その菊花賞では4番人気と評価を落としていたが、横山武騎手がテンから追っつけて、1000m通過60秒0のラップを刻んだ。途中14秒3、13秒1というラップを挟み、脚を溜めると、ラスト800mあたりから再加速。鞍上の見事なペース配分もあって、2着オーソクレースに5馬身差をつける圧勝劇だった。

 その前走を含めてタイトルホルダーが逃げたときの成績は「3-2-0-0」でパーフェクト連対を誇る。一方、逃げられなかったときは「0-0-0-3」とその差は明らか。今回もできればハナを切りたいところだが、他にも逃げたい馬がいる。この馬の出方がレース全体のカギを握ることになりそうだ。

 鞍上は横山武騎手に替わって兄の横山和生騎手が務める。1週前追い切りにも跨がり、着々と準備は整っている。逃げるのか、それとも控えるのか、レース前半のファンの視線はこの馬に集まるだろう。

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ステラヴェローチェ 撮影:Ruriko.I

 同じ3歳世代の実力馬ステラヴェローチェ(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)にも注意が必要だ。

 前走・菊花賞は2番人気の支持を受けたが、不完全燃焼の4着に終わった。ただし、この敗戦で人気を落とすようなら一転不気味な存在になる。

 これまでの戦績から挑戦者としてマークする立場になったときに力を発揮するタイプなのは明らか。今回は4~5番人気が濃厚で、捨て身の末脚が炸裂する可能性はあるだろう。

 パワーを要する冬の中山芝も味方につけられそうだ。不良馬場で2戦2勝という成績が示す通り、「脚に水かきがついている」と言われるほどの道悪巧者でもある。ただ、レコードタイムが出た昨年の朝日杯FS(G1)での2着や、瞬発力勝負となったダービーでも3着しているように高速馬場にも対応できるのは心強い。

 鞍上は近4走で手綱を取っていた吉田隼人騎手から好調M.デムーロ騎手に交替する。1週前追い切りは栗東CWで酒井学騎手を背に6ハロン83秒2-11秒2をマークし、態勢は整いつつある。中山2500mなら、ダービーでエフフォーリアにつけられた1.1/4馬身差を逆転するチャンスも十分あるだろう。

 コントレイル世代の3頭も上位をうかがう。1頭目のディープボンド(牡4歳、栗東・大久保龍志厩舎)は、スタミナを武器とする長距離ランナーだ。

 今年は中山金杯(G3)で2番人気14着という最悪のスタートを切ったが、その後は阪神大賞典(G2)を5馬身差で圧勝。天皇賞・春(G1)ではワールドプレミアに3/4馬身差に迫る2着と長距離レースで結果を残した。

 秋はフランスに遠征し、フォワ賞(G2)を逃げ切り勝ち。本番の凱旋門賞でも期待されたが、重い馬場に脚をとられ最下位14着に大敗した。

 帰国後は大山ヒルズで疲れを癒やし、11月下旬に栗東に帰厩。坂路を中心に乗り込まれ、1週前には栗東CWで6ハロン81秒0-11秒2の好時計をマークするなど順調に調整されている。

 主戦の和田竜二騎手に手綱が戻って、前走大敗からの巻き返しに期待したい。

 4歳世代2頭目は、1年前には2勝クラスを走っていたアカイイト(牝4歳、栗東・中竹和也厩舎)だ。

 前走のエリザベス女王杯(G1)は10番人気というノーマークの立場だったが、後方から強豪牝馬をまとめて差し切った。展開と馬場に恵まれた感もあったが、それでも2着から7着が0秒2差にひしめく混戦のなか、2着馬に0秒3の差をつけ勝ちきったのは充実の証しだろう。

 結果が出ていない関東への長距離輸送をクリアできれば、面白い存在になり得る。鞍上の幸英明騎手は28年目で有馬記念に初騎乗となる。

 3頭目はアリストテレス(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)。昨年の菊花賞でコントレイルに食い下がり、続くAJCC(G2)を完勝したときは長距離界のエースを担っていくとみられた。

 ところが、その後は5戦して2着が1度だけと、ポテンシャルを発揮できないまま今に至る。前走のジャパンC(G1)は横山武騎手がハナを叩きスローペースに落とし込んだが、途中からキセキに来られて最後は脚が上がってしまった。

 1戦1勝の中山でスタミナ勝負に持ち込めるか。鞍上は宝塚記念以来2度目となる武豊騎手を予定している。

 タイトルホルダーとともに展開のカギを握るのはパンサラッサ(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)とキセキ(牡7歳、栗東・辻野泰之厩舎)の2頭だろう。

 前者はこの秋、オクトーバーS(L)、福島記念(G3)を逃げ切って2連勝中。前走は、前半3ハロン33秒6というハイラップを刻み、4馬身差の勝利を収めた。今回もハナを奪ってハイペースを演出する可能性が高そうだ。

 これが引退レースとなるキセキは、前走ジャパンCで道中一気に進出し、コントレイルの引退レースを大いに盛り上げた。今回も派手な捲りを見せるか、それとも大逃げを打つのか。ファンの多い馬だけに注目が集まる。

 この他には、小柄な馬体で人気を集めるメロディーレーン(牝5歳、栗東・森田直行厩舎)、C.デムーロ騎手との新コンビで4年1か月ぶりの勝利を狙うペルシアンナイト(牡7歳、栗東・池江泰寿厩舎)、今年の目黒記念(G2)を制したウインキートス(牝4歳、美浦・宗像義忠厩舎)なども虎視眈々と一発を狙う。

 年末の大一番、第66回有馬記念は26日15時25分に発走予定だ。

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