JRA岩田康誠「勝たなアカン! 見とけよ!」からの赤っ恥……“トライアル請負人”が2億7000万円馬で果たしておきたいリベンジとは
「いやいや、権利じゃないんです。勝つために来てるんで」
先週19日、若葉S(L)をデシエルトで制した岩田康誠騎手の勝利騎手インタビューが、大きな物議を呼んだ。皐月賞(G1)への権利がかかった大一番で、鮮やかな逃げ切り勝ちを決めたにも関わらず、競馬ファン達の間で賛否の声が沸き上がった。
翌20日にも、同じくトライアルレースのスプリングS(G2)をビーアストニッシドで制した同騎手。2日連続となった勝利騎手インタビューに大きな注目が集まった。ここでは発言内容についてはカットするが、いい意味でも悪い意味でも先週末は「岩田デー」となった。
インタビューの態度や言葉選びが適切ではなかったかもしれないが、トライアルレースというクラシックへの出走権がかかる大一番で、ここぞとばかりに役目を果たすのだから、陣営にとっては心底頼もしい存在に違いない。
そんな「トライアル請負人」の岩田康騎手には、今週末もクラシックへ向けての大一番が控えている。26日は阪神競馬場で行われる毎日杯(G3)にホウオウプレミア(牡3、美浦・奥村武厩舎)とのコンビで出走を予定しているからだ。
トライアルレースではないものの、近年の勝ち馬のなかには皐月賞を勝ったアルアイン、日本ダービー(G1)を勝ったキズナやシャフリヤールなどがおり、クラシックに直結する超出世レースでもある。
ホウオウプレミアは、その名が示す通り冠名「ホウオウ」で知られる小笹芳央オーナーが、2019年の当歳セレクトセールにて2億7000万円(税別)で落札した超高額馬としても有名だ。さらには先週、若葉Sを勝利したデシエルトと従兄弟関係にあたる。
新馬戦こそ快勝したものの、ここ2戦は勝ち切れないレースが続いている。特に、岩田康騎手とのコンビで臨んだ前走の京成杯(G3)では、道中折り合いを欠いてしまい、勝負所で後退する場面も。最後は必死に後方から追い込んだものの6着に敗れた。
内容が今一つだったこともあり、管理する奥村武調教師は「見てのとおりです。後手後手で競馬になっていません」とレース後に珍しく鞍上への不満を示したほどだ。
しかし、奥村武師が思わず愚痴をこぼしたくなったことには、それなりの訳があった。
京成杯前の最終追い切り後、『サンケイスポーツ』の取材に対し岩田康騎手が「勝たなアカン! 見とけよ!」と自信を覗かせる発言をしていたからだ。ところがその強気な発言とは裏腹に、レースでは勝ち負けどころか掲示板(5着以内)にすら載れない結果……陣営の期待を裏切る格好になってしまった。
それでも今回、岩田康騎手に継続騎乗の依頼が来たという事は、陣営の信頼を回復させるチャンス到来と言っていいだろう。相手は強敵揃いだが、クラシック出走へ賞金加算という面では、今度こそ勝ち負けが求められる。
皐月賞はデシエルトとのコンビで向かう事が決まっている岩田康騎手だが、先週のインタビューにもあった「勝つために来ている」という力強い言葉通り、毎日杯でもホウオウプレミアとともに「大物食い」を虎視眈々と狙っているはずだ。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?
PICK UP
Ranking
11:30更新- ジャスティンミラノを大幅に上回った「期待の良血」がG1に向けて出陣! C.ルメールに替わる新パートナーは「初制覇」のチャンス到来?
- 【フローラS】「批判覚悟の出走」が1000万馬券の大波乱を演出!除外された武豊の超良血は幻のG1馬に…「東京マスター」菅原明良と挑む渾身の権利獲り
- 「ルメールショック」が木村哲也厩舎に直撃?桜花賞に続き皐月賞も人気馬が凡走…主戦騎手不在で「13連敗」の急ブレーキ
- 【NHKマイルC】川田将雅ジャンタルマンタル参戦で浮上した「鞍上問題」…陣営と繋がり強い「三冠騎手」が有力候補? その背中に跨るのは
- セリフォス、ナミュールも不安?2024年マイル戦線は異常事態!マイラーズCは“安田記念を見切った格下馬”の激走に要注意!
- JRA「隠れ最強馬」が待ちに待った戦列復帰…ジャスティンミラノに引け取らない実力、令和の「マツクニローテ」再現あるか?
- コスモキュランダ次走ダービーも「鞍上未定」の怪…J.モレイラ続投が決まらない理由に「身元引受調教師」の影響も?
- JRA横山典弘「再登板」もファンの胸中は複雑!?ソダシでも主戦騎手が降板の過去…「騎乗批判疑惑」で物議醸したコンビが復活
- タガノエルピーダ×M.デムーロ「新タッグ」でオークスヘ!「タイトルを獲得したいものと夢見ております」悲願の初G1制覇目指す名オーナーの希望となれるか
- 【福島牝馬S(G3)展望】今年「50戦0勝」騎手が本命馬に騎乗!? リバティアイランドに迫った実力を示せるか
関連記事
JRA【毎日杯(G3)展望】「超大物」ドゥラドーレスVS「雪辱」コマンドライン!「5億円馬」リアドら伏兵陣もハイレベル。昨年シャフリヤールに続くのは?
JRA 今年のダービー馬も皐月賞(G1)ではなく裏街道から!? ノーザンファームお気に入り「ダービー予行演習」のG3が超豪華メンバー
JRA ノーザンファーム系「お気に入り」G3にダービートライアル化が加速、皐月賞(G1)を回避してまで有力候補を送り込む伝統重賞の魅力とは
JRA高松宮記念(G1)惨敗続きから「岩田再生工場」で見事に復活! 2年前に取り逃したG1タイトル、ダイアトニックが父仔制覇に再挑戦
JRAマーチS(G3)ダートでも「逃げ」のニュースター誕生!? 隠れた「逃げの名手」との逃亡劇で重賞初制覇を狙う!