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名伯楽ら絶賛ディープインパクト後継候補が大ピンチ!?

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 17日に福島競馬場で行われた2歳新馬戦(5R、芝1800m)は、マスキュリンが勝利。14頭立て8番人気のワンアンドオンリー産駒が見事に低評価を覆した。

 一方で、またも振るわなかったのが新種牡馬リアルスティール産駒の2頭だ。

 1番人気に支持されたフェブランシェ(牝2歳、美浦・黒岩陽一厩舎)は、好位から直線伸びを欠いて5着に敗退。もう1頭の4番人気ホウオウジュビリー(牝2歳、栗東・音無秀孝厩舎)はハナを切って逃げ込みを図ったが、7着に敗れた。

 1番人気を裏切ってしまったフェブランシェの津村明秀騎手はレース後、「良いスタートを切って、良い位置が取れました。ワンペースで3コーナーで置かれましたし、後ろから交わされ、前にも届きませんでした」と力負けを認めた上で、「ちょっと条件が違うのかもしれません」と、別条件での巻き返しに期待するコメントを残した。

 2歳戦が始まって約1か月半。サトノダイヤモンドやサトノクラウンらすでに10頭以上の新種牡馬が続々と勝利を挙げている。そんな中、リアルスティール産駒はいまだ勝利がなく、17日までにデビューした12頭の成績は合計で「0-2-3-11」である。

「今週も初日が出ませんでしたか。フェブランシェは調教でも抜群の動きを見せていたので、父に初勝利をプレゼントしてくれると思っていましたが……。先日のセレクトセールでも何頭か1億円以上の高値がついていたように、リアルスティールの産駒は総じて評価は高いのですが、まだ結果に結びついていませんね。

今年の新種牡馬ではサトノダイヤモンドと並ぶエース候補。遅かれ早かれ初勝利を挙げて、重賞級の馬も何頭か出てくるはずです。ただ、リアルスティール自身が2歳12月のデビューで、古馬になってドバイターフ(G1)を勝ったように、全体的に産駒の仕上がりは少し遅いのかもしれません」(競馬誌ライター)

前評判に識者も太鼓判

 

 まさに“産みの苦しみ”を味わっているリアルスティールだが、ディープインパクトの後継候補としての期待はかなり大きい。

 たとえば、血統評論家の亀谷敬正氏は今月、自身のYouTubeに「ディープ系のなかでも超良血! トップ種牡馬になれるポテンシャルあり!」と題した動画をアップ。その中で「エピファネイア級の活躍をする」と、血統面から種牡馬リアルスティールのポテンシャルを高く評価している。

 そしてもう一人、「コントレイルを除いて」という注釈付きだが、「ディープインパクトのスピードと軽さを受け継いでいる種牡馬」としてリアルスティールの名前を挙げたのが、スペシャルウィークなど数多くの名馬を育て上げた名伯楽の白井寿昭元調教師だ。

『東京スポーツ』に連載中の「温故知新」という記事で「しっかりとした血統背景もあるし、今年の目玉はこれ」と断言。血統面に加えて、2年目以降も安定した種付け頭数を維持していることも踏まえ、リアルスティールに最大級の評価を与えている。

「白井元調教師も亀谷氏も母系、特にラヴズオンリーミー(リアルスティールの母)の存在が成功するカギと見ているようです。昨年のブリーダーズCを勝ったラヴズオンリーユーも出していますからね。『スピードと軽さ』というキーワードを出している点も2人に共通していました」(同)

 リアルスティール産駒が本領を発揮するのは、よりスピードが問われる秋の中央場所に戻ってからになるのだろうか。今は焦らず長い目で見る必要がありそうだ。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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