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「距離延長」にこそ勝算あり?「夏男」カテドラルの進化

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カテドラル 撮影:Ruriko.I

 14日、小倉競馬場で行われるサマー2000シリーズの第3戦・小倉記念(G3)。この舞台で実に3年7カ月ぶりとなる芝2000m戦に挑むのが、カテドラル(牡6歳、栗東・池添学厩舎)だ。

 芝1800mだった前走の中京記念(G3)では、10番人気の低評価を覆して2着と奮闘。これでサマーマイルシリーズの得点を5ポイント手にし、現時点でランキング3位タイに名を連ねている。

 同馬は昨年も小倉開催だった中京記念で2着と好走した後、9月の京成杯オータムH(G3)を制覇。1勝・2着1回の好成績を収め、サマーマイルシリーズで計15ポイント稼いだが、20ポイントのロータスランドに敗れ、夏のマイル王に輝くことができなかった。

 そんな悔しさもあるだけに、昨年の忘れ物を取りに行くのかと思っていたところ、陣営が参戦を表明したのはマイル重賞の関屋記念(G3)ではなく、同日に小倉で行われる小倉記念。距離延長の選択は少々意外に映る。

 というのも、芝2000mで新馬勝ちを飾っている同馬だが、明け3歳の2019年1月に行われた京成杯(G3)で11着に敗れてからは徹底してマイル路線を歩んできた。

「距離延長」にこそ勝算あり?

 3歳春以降で芝1600mより長い距離を走ったのは、昨年と今年の中京記念だけ。開催日程の都合で小倉・芝1800mでの開催となった中での好走だったが、夏の小倉以外で芝1800mのレースに出走することはなく、ましてやさらに距離を延ばすという選択もしてこなかった。

 芝2000mの距離について、陣営は「やってみないと分からない」としているが、この馬にとって慣れ親しんだマイル戦が同日にあるにもかかわらず、あえてそこを選ばなかったということは、関屋記念よりも小倉記念の方にチャンスがあると判断したということだろう。

 その手がかりを探ってみると、一つはコンディションの良さが挙げられる。

 陣営も「前走の反動はなく、追い切りも問題ない。代謝が良くなる夏場は良い」と状態面の良さを強調。本格化の気配が漂う今、状態も上向きになる夏場に一度、芝2000mの距離を試しておきたい、と言ったところだろうか。

 ちなみに、夏季の状態の良さはそのまま成績にも直結している。同馬はこれまで24戦のキャリアで4勝を挙げているが、その全てが7月~9月で記録したものだった。

 同期間の成績は【4-2-0-1/7】という驚異的なもの。なかでもパンパンの軽い馬場を大の得意としており、良馬場に限ると【3-2-0-0/5】とパーフェクト連対中だ。

 加えて、もう一つ考えられるのが、陣営が前走のパフォーマンスに手応えを感じているということである。

 中京記念前に残したコメントによると、陣営はコーナー4回の競馬について「去年も良いレースをしてくれたので」と答えつつ、「小回りの芝1800mはそれ一回きりですから、適性に関しては今回もう一度使って判断」と語っていた。

 結果は同じ2着だが、今年の中京記念は1年前よりも1キロ増の斤量57キロでの戦いだっただけでなく、レース内容も勝ったベレヌスがゆったりとしたペースで逃げ切る前有利な流れの中、カテドラルは4角10番手からの見事な追い込み。騎乗した団野大成騎手も「いまの馬場を考えれば、よく脚を使ってくれていると思います」と健闘を称えている。

 かつては気性面の課題でコーナー4つのレースを避けていた馬が、小回りの1800m戦で2年連続の好走。緩い流れでもしっかりと折り合い、持ち味の差し脚を発揮できたのを見て、芝2000mの挑戦に食指が動いたのではないか。

 馬券戦略という観点では、人気薄での好走を経てオッズが下がった馬を後追いで狙うというのは気が引けるもの。それが3年半もの間、避けていた芝2000m戦への挑戦というオマケ付ならなおさらだ。

 しかし、中身をじっくりと見てみると、コンディション的にも実績的にも「夏馬」であることに疑いの余地がない。

 狙えるタイトルを後回しにしてでも挑戦する価値があると判断して出てくる芝2000m戦。不安の声を吹き飛ばすような連続好走があっても驚けないだろう。

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