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国枝厩舎の「秘密兵器」が狙うラスト一冠!悲願の牡馬クラシック制覇狙うも、期待できなさそうなワケ

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撮影:Ruriko.I

 遅れてきた大物が、ラスト一冠に間に合うか。

 6月に東京・芝2000mで行われた1勝クラスの条件戦を勝ち、デビューから2戦2勝のパラレルヴィジョン(牡3、美浦・国枝栄厩舎)の次走が9月25日中京で開催される菊花賞トライアル・神戸新聞杯(G2)になることがキャロットファームから発表された。

 本馬は父キズナ、母アールブリュット(母父マクフィ)という血統で、叔父に中日新聞杯(G3)を制したメートルダールがいる良血。母は芝の中距離で3勝を挙げており、パラレルヴィジョンも現時点では母系の影響が強めに出ているかもしれない。

 この馬はデビュー自体が遅く、4月の中山で行われた芝2000mの未勝利戦だった。フルゲート18頭立てで行われたレースは、1000m59.1秒と未勝利戦としては速めのペースで進み、パラレルヴィジョンは中団待機から4コーナーで3番手に押し上げ、直線で前を一気に交わして2着に2馬身半差をつける完勝だった。

 9頭立ての少頭数で行われた前走では後方待機策を選択。1000m58.0秒と速いペースで流れた結果、前が総崩れ。そこを大外から上がり最速の33.5秒で一気に交わし、2着に3馬身差をつけて圧勝。走破タイムも1分58秒0と文句なしの決着となった。

 パラレルヴィジョンを管理する国枝厩舎と言えば、3冠牝馬アパパネとその娘、アカイトリノムスメや希代の名牝アーモンドアイなどを育てた名伯楽。現役唯一の調教師1000勝も達成しているが、一方で牡馬クラシックにはこれまで縁がなかった。

 昨年はデビューから大器の呼び声が高かったコマンドラインがいたが、暮れのホープフルS(G1)で1番人気に推されながらも12着に大敗。クラシック出走を懸けて毎日杯(G3)に出走したものの、良いところなく8着に敗れてクラシックへの夢が絶たれ、まさに国枝師にしてみれば失意の春シーズンを過ごしたはず。

「秘密兵器」が狙うラスト一冠!

 そこに救世主のごとく現れたパラレルヴィジョンは、今後の活躍に希望が持てるパフォーマンスを見せており、神戸新聞杯で菊花賞(G1)の出走権獲得の期待も大きい。

 だが、本来なら本番と好相性を見せる神戸新聞杯の出走メンバーが低レベルなものになる見通しがある。詳しくはこちらの記事を参照していただきたいが、春の実績馬が軒並み出走しない異常事態が起きそうなのだ。

 最右翼は日本ダービー(G1)5着のプラダリアで、サトノヘリオスやボルドグフーシュのような重賞3着馬はいるが、重賞勝ち馬が現状ではプラダリアしかいない。

 施行条件が阪神2400mに変更された2007年以降、勝ち馬には綺羅星のごとくスターホースの名前が並ぶ。中でもオルフェーヴル、ゴールドシップ、エピファネイア、サトノダイヤモンド、コントレイルはここを勝って菊花賞をも制している。

 しかし、今年は風向きがだいぶ変わっている。皐月賞馬ジオグリフと皐月賞・ダービー2着馬のイクイノックスはそろって天皇賞・秋(G1)挑戦が早い段階でアナウンスされ、ダービー馬ドウデュースは凱旋門賞(仏G1)への挑戦が決まるなど、春のクラシック上位馬がそろって菊花賞不出走を決めてしまった。

 またダービー3着馬のアスクビクターモアはセントライト記念(G2)への出走が決まっており、神戸新聞杯のレースレベルが相対的に下がってしまっている。神戸新聞杯では夏の上がり馬が勝った年も当然あるのだが、残念ながら菊花賞で結果を残せていない。

 そんな過去のデータを改めて確認すると、現時点で高い能力を見せるパラレルヴィジョンが仮に神戸新聞杯を制することができたとしても、菊花賞勝利には疑問符を付けざるを得ない。

 果たしてパラレルヴィジョンは国枝厩舎悲願の牡馬クラシック制覇を成し遂げることができるのか。まずは、神戸新聞杯でのパフォーマンスに注目してみたい。

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