今村聖奈「G1初騎乗」は武豊次第!? 名牝の初仔を巡る鞍上問題発生も

9月10日の中京2歳新馬(芝1600m)でデビュー戦Vを飾ったスマートジェイナ(牝2歳、栗東・大久保龍志厩舎)が、今週日曜の阪神8R・秋明菊賞(2歳1勝クラス)で2戦目を迎える。
鞍上を務めるのは同馬の母の背を最もよく知る武豊騎手だ。スマートジェイナの母はG1勝利こそなかったが、8歳まで現役を続け、重賞を4勝した名牝のスマートレイアー。2019年に繁殖入りし、20年に母そっくりの芦毛の馬体に生まれたのがスマートジェイナである。
そのスマートジェイナは最終的に5頭立ての少頭数となった秋明菊賞で最も勝利に近い存在となりそう。『netkeiba.com』の予想オッズでは1番人気に支持されており、もし下馬評通りのパフォーマンスを発揮できれば、阪神JF(G1)も視野に入ってくるだろう。
ただし、阪神JFで武騎手が再び同馬に騎乗する可能性はほぼゼロである。というのも武騎手は、同日に行われる香港国際競走の香港C(G1)にジャックドールと臨むことが決まっているからである。
そうなるとスマートジェイナの鞍上候補の筆頭として名前が挙がるのは、デビュー戦でコンビを組んだ今村聖奈騎手かもしれない。
今村聖奈騎手が名牝の初仔でG1騎乗も!?

初戦は好スタートから道中しっかり折り合って2番手の好位を確保。直線早めに抜け出しを図ると、後続の追撃を振り切って、2着に1馬身差をつけて快勝した。若駒の頃は追い込み一辺倒で不器用なイメージが強かった母とは異なる、センスの高い走りを披露し、2戦目の走りにも注目が集まっている。
単勝1.5倍のプレッシャーもある中、期待に応える騎乗を見せた今村騎手だが、その週は武騎手が渡仏中(ニエル賞騎乗)のため、あくまでも武騎手の“代打”という位置づけだった可能性が高そうだ。
秋明菊賞での鞍上変更は既定路線といえそうだが、もしこのまま順調に勝ち進んで阪神JFに参戦することになれば、武騎手の騎乗が不可能なため、再び今村騎手に声が掛かってもおかしくない。
もともとミカッテヨンデイイとのコンビで阪神JFを目指していた今村騎手だが、ファンタジーS(G3)の惨敗でG1初騎乗が幻となっていただけに、密かにチャンスを狙っているはず。
ただし、コンビ再結成のネックとなり得るのが斤量だ。
「新馬戦は『★』マークの今村騎手が騎乗したため、他馬より4kgも軽い50kgで走ることができましたが、阪神JFではこれ(減量特典)が適用されません。今村騎手がG1騎乗に必要な勝利数(31勝)に達したときは、次々とG1の騎乗依頼が舞い込むのではといわれていましたが、現実はそうなっていません」(競馬誌ライター)
今村騎手以外には、母スマートレイアーに騎乗したことがあるM.デムーロ騎手や戸崎圭太騎手、『スマート軍団』の馬に騎乗機会が多い秋山真一郎騎手らが代打候補となりそう。
武騎手不在の中、スマートジェイナは、争奪戦が勃発するような活躍を見せられるだろうか。まずは武騎手がしっかり勝利をエスコートしておきたいところだ。
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