【シルクロードS(G3)展望】今村聖奈×テイエムスパーダ「重賞2勝目」へ…トウシンマカオら快速4歳馬が勢ぞろい!?
29日、中京競馬場では高松宮記念(G1)と同舞台のシルクロードS(G3)が行われる。昨年のメイケイエールを含めて過去4年で4歳馬が3勝を挙げているが、今年も4歳馬が中心となりそうだ。
その筆頭格が、前走の京阪杯(G3)で重賞初勝利を飾ったトウシンマカオ(牡4歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)である。
朝日杯FS(G1)6着、NHKマイルC(G1)8着など、3歳春まではマイル路線でまずまずの成績を残していたトウシンマカオ。その後はスプリント路線に転じ、キーンランドC(G3)では1番人気の支持を受けるも、大外枠でコースロスが大きく響き4着に敗れた。
秋はオパールS(L)で始動したが、再び大外16番枠に収まり3番人気に留まった。しかし、外差し馬場も味方につけて、中団後方から末脚を伸ばし実力馬サンライズオネストら相手に完勝を収めた。
そして11月の京阪杯では、好位から抜け出す横綱相撲。6度目の挑戦で重賞初勝利を挙げ、陣営は高松宮記念を春の大目標に定めた。
ステップとしてシルクロードSを挟むのは、本馬の父ビッグアーサーと同じローテーション。父は5歳春に高松宮記念を制したが、前哨戦のシルクロードSでは1番人気に応えられず5着に敗れた。父子制覇を狙う春の大一番を前に、7年前に父が敗れたレースでリベンジを果たすことができるか。
鞍上はオパールSで初コンビを組み2戦2勝と、完璧な相性を誇る鮫島克駿騎手が務める。昨年、自己ベストの80勝を挙げ、リーディング10位に食い込んだ勢いを見せつけたい。
同じ4歳馬でもスプリント実績で頭一つ抜けているのが、ウインマーベル(牡4歳、美浦・深山雅史厩舎)だ。
昨年春に橘S(L)、葵S(G3)を連勝し、古馬と初対戦となったキーンランドCではヴェントヴォーチェの2着に好走。この時はトウシンマカオに先着を果たした。
その後はスプリンターズS(G1)に挑戦。スタート直後にはロスがあったが、直線で馬群をこじ開けて、7番人気ながら2着に突っ込んだ。
レース後に松山弘平騎手が「レースとしてはもう1列前のポジションを取りたかった」と話したように、やはりスタート後の不利が響いた形。それでも理想より後ろの位置取りから好走できたのは、大きな収穫となったはず。
前走後はすぐに、高松宮記念を春の大目標に設定。12月下旬に美浦に帰厩し、じっくり調整してきた。中京は4戦3連対と実績あるコース。3戦3連対と好相性の松山騎手とのコンビで、今年初戦を白星で飾れるか。
ウインマーベルが2着に入ったスプリンターズSで2番人気に支持されるも、5着に敗れたのがナムラクレア(牝4歳、栗東・長谷川浩大厩舎)だ。
これまで小倉2歳S(G3)と函館SS(G3)で重賞を2勝挙げているが、デビューから10戦全てで掲示板を確保している堅実タイプでもある。
桜花賞(G1)の後はスプリント路線に舵を切り、3走前の函館SSでは50kgの軽量を生かして優勝。続く北九州記念(G3)は1番人気で3着に敗れたが、直線で脚を余しており、負けて強しの内容だった。
そして迎えたスプリンターズSでは、中団前目から直線伸びきれずに5着。イン有利な馬場で、外々を回らされたことが大きく響いた。それでいて勝ち馬とは0秒2差なら、悲観する必要はないだろう。
今回はデビュー戦(新潟芝1600mで3着)以来となる左回りで、不完全燃焼に終わった近2走の鬱憤を晴らしたい。
昨年7月のCBC賞(G3)を今村聖奈騎手とのコンビで勝利したテイエムスパーダ(牝4歳、栗東・五十嵐忠男厩舎)は、それ以来の重賞2勝目を狙う。
その後の2戦は主戦の国分恭介騎手に手綱が戻っていたが、いずれも結果を出せず。前走・京阪杯では国分恭騎手が負傷中ということもあって、再び今村騎手とコンビを組んでいた。
3番人気に推された前走は、スタートで他馬と接触するアクシデントもあって道中3番手からの競馬。最後の直線もよく粘っていたが、結局トウシンマカオから0秒8差の6着に敗れた。
今村騎手は今回が重賞12度目の騎乗。初騎乗で優勝する幸先いいスタートを切ったが、その後は全て掲示板を外している。そろそろ結果を出したいところだろう。
充実一途の4歳馬マッドクール(牡4歳、栗東・池添学厩舎)も侮れない。
昨年5月にデビュー3戦目で未勝利戦を勝ち上がると、一気の4連勝でオープン入り。初コンビを予定していたD.イーガン騎手が騎乗停止中のため、前走に続き藤岡康太騎手が手綱を取る。
ここまで名前を挙げた5頭は全て4歳馬だが、年長馬も黙っていない。
キルロード(セ8歳、美浦・田村康仁厩舎)は昨年に本格化を迎えた遅咲き。3走前の高松宮記念は17番人気で3着、前走・京阪杯は10番人気で2着に入るなど、たびたび波乱を演出してきた。前走に続き福永祐一騎手とのコンビで古馬の意地を見せられるか。
この他には、昨年の2着馬シャインガーネット(牝6歳、美浦・栗田徹厩舎)、前走のタンザナイトS(OP)で3年5か月ぶりの勝利を飾ったグルーヴィット(牡7歳、栗東・松永幹夫厩舎)、重賞2勝の実績を誇る道悪巧者のエイティーンガール(牝7歳、栗東・飯田祐史厩舎)など古馬の実力派も揃った。
スプリント路線の本格的な開幕戦でもあるシルクロードS。4歳馬の勢いが勝るのか、それとも古豪が意地を見せるのか。発走は29日の15時35分を予定している。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ヤマニンウルス、オーサムリザルトに新たなライバル登場か…元クラシック候補が路線変更ズバリ、M.デムーロ「強かった。乗っていただけ」
- 【阪神C(G2)展望】武豊“マジック”でナムラクレア、ママコチャを破った重賞馬が待望の復帰戦! 短距離界の有馬記念に豪華メンバーが集結
- 武豊「こんな馬ではない」アルテヴェローチェ不完全燃焼!レースレベルに疑問残るも…川田将雅「4コーナーで勝つと思いました」の明暗
- 武豊と有馬記念を振り返る。ドウデュースのラストラン勝つための条件、オグリキャップ、ディープインパクト、キタサンブラックに続く伝説となるか?
- 【有馬記念】武豊×ドウデュース大本命でも万馬券ゲット!? 今話題の情報会社「暁」の関係者が「ドウデュースが食われるかも」と警戒する絶好調の穴馬とは
- 【菊花賞】武豊「絶縁」から和解した救世主と見学回避!ルメールのお下がりでも戸崎圭太より不気味?
- 永島まなみ「率直な気持ちは悔しい」武豊に無情の乗り替わり…G1初騎乗から1年。単勝170.6倍の16番人気5着好走に確かな手応え
- 【有馬記念(G1)展望】武豊×ドウデュースが「引退レース」で史上3頭目の秋古馬三冠に挑戦! ダービー馬ダノンデサイル&菊花賞馬アーバンシックら3歳馬が狙う世代交代
- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- 岩田康誠「キレ散らかし」返答にインタビュアーもタジタジ…名手が信じたドウデュース世代の実力馬が有馬記念前に答え合わせ