「懲罰交代」でG1馬の手綱を武豊に献上…度重なる失態で灸を据えられた若手騎手に信頼回復のチャンス到来
24日のオールカマー(G2)を今秋の始動戦に予定している、昨年のエリザベス女王杯(G1)覇者ジェラルディーナ(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)。鞍上は新コンビの団野大成騎手になることが、所有するサンデーレーシングから発表された。
ジェラルディーナにとって、オールカマーは昨年も制している縁起のいいレース。その後に控える秋のG1戦線を前に、まずはここを連覇して弾みをつけたいところだろう。
前走の宝塚記念(G1)で同馬は、武豊騎手が騎乗。3コーナー過ぎから早めに進出する積極策で、一瞬は先頭を窺うシーンも見られた。最後は勝ち馬イクイノックスに及ばなかったものの、4着と十分に見せ場を作っている。
またレジェンドに替わって手綱を託された団野騎手も、ここは力の入る一戦となる。
キャリア5年目の同騎手は、今年3月に開催された高松宮記念(G1)を制してG1ジョッキーの仲間入り。今夏もジャスパークローネとのコンビで、スプリント重賞を連勝。先週終了時点で34勝をマークするなど、いま最も乗れている若手騎手の1人だ。
そんな注目株の団野騎手だが、実は宝塚記念の前にも一度、ジェラルディーナの新パートナーとして白羽の矢が立ったことを覚えているファンも多いだろう。若武者にとっても春のグランプリで有力馬の1頭に騎乗できる、またとないチャンスだった。
「懲罰交代」でG1馬の手綱を武豊騎手に献上…
だが、発表からそれほど経たないうちに、武豊騎手へのスイッチが決定。ジェラルディーナは団野騎手の師匠・斉藤調教師の管理馬だが、どうやら遅刻や寝坊を繰り返していた弟子に対し、懲罰的な意味も込めて降板を告げたようだ。団野騎手にしてみれば、まさに身から出た錆で自らチャンスを逃してしまった格好である。
「同期の若手騎手らと歓楽街で飲み歩いていたことが、遅刻や寝坊などの失態に繋がった原因のようですね。多少ハメを外すくらいであれば問題なかったのでしょうが、仕事にも影響が及んでしまったとなれば、師匠からお灸を据えられてしまったとしても仕方ないでしょう」(競馬誌ライター)
また毎週のようにレースで自厩舎の馬に騎乗していた団野騎手だが、この降板劇以降、騎乗がパタリと途絶えることにもなった。ただ調教には跨っていたことから、完全に見放されたというわけではなかったようだ。
実際に、7月に入るとレースでも自厩舎の馬に騎乗再開。先月19日にはタガノトラリアで、約3ヶ月ぶりとなる師弟コンビで白星を挙げた。そして今回、再びジェラルディーナに騎乗できる機会が巡ってきたのである。
オールカマーで好結果を残せば、引き続き同馬とのコンビで春は叶わなかったG1に臨むチャンスもやってくるかもしれない。果たして一度は失いかけた信頼をV字回復させることができるだろうか。
PICK UP
Ranking
11:30更新- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 交通事故で乗り合わせたすべての馬が死亡……度重なる危機を奇跡的に乗り越え、最後は年度代表馬に。人知を超えた「奇跡の馬」サンデーサイレンス【前編】
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは
- JRA内田博幸「戸崎ブチギレ騒動」から遺恨“独立”で引退危機!? エージェント“不条理”解約に「義理を通すなら……」
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
- 岩田康誠「キレ散らかし」返答にインタビュアーもタジタジ…名手が信じたドウデュース世代の実力馬が有馬記念前に答え合わせ
関連記事
先週は馬連「35.9倍」を的中!サリエラとノッキングポイントは気になるけれど…新潟記念(G3)はピンクの帽子で勝負【UMAJOモモのオイシイ競馬】
C.ルメールが「モーリス級」と評したクラシック候補が試金石、5年ぶりの勝利を目指す新潟記念…ブラストワンピース2世となれるか
【JRA夏競馬】不遇の新人女性騎手が覚醒!? 永島まなみ、今村聖奈を超える勢いで夏競馬を席巻!
東京競馬場に約20万人が殺到!? 朝6時からの大行列、怒号飛び交う陣取り合戦、そして…競馬が最も熱い時代、歴代最多入場者を記録した当時の記憶
【札幌2歳S(G3)予想】ガイアメンテは黙って切り!持ち時計重視で浮上した穴馬3頭で万馬券を狙う