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審議長引いた「斜行体当たり」も降着なし、後味の悪さ残した裁決基準…マーシャルポイント惜敗は「騎乗停止」で決着

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津村明秀騎手

 16日、中山競馬場で行われた5Rの2歳新馬(芝1800m)は、津村明秀騎手が騎乗した3番人気ミアネーロ(牝2、美浦・林徹厩舎)が優勝した。

 ドゥラメンテ産駒の本馬は、半姉にデビュー2連勝で2016年のファンタジーS(G3)を制したミスエルテがいる素質馬。管理する林調教師が「間違いなくいいモノを持っている」「落ち着いて挑めれば」と期待した通りのデビュー勝ちだった。

 しかし、その実力を証明した一方で、陣営が戦前に危惧していた精神面の危うさも露呈してしまった。

「最後に幼いところを見せて、フラフラしてしまいました。ラストだけは申し訳なかったです」

 津村騎手がそう振り返ったように、最後の直線で内から追い上げた馬に驚いたのか突然外側に斜行。大外から末脚を伸ばしていたマーシャルポイントに体当たりする格好で両馬ともにバランスを崩すシーンが見られた。

 お互いに体勢を立て直して追い出された後、そのままワンツーフィニッシュを決めたものの、被害に遭ったマーシャルポイントの脚色的に不利がなければ着順が入れ替わる可能性も十分にあったといえる。

 レース後には審議のランプが点灯し、SNSでも「騎手のせいではないけど危ない」「これは降着かな」「やっぱり審議なんだ」と裁決の結果を気にする声が見られ、約5分間と長引く審議にファンの注目も集まった。

マーシャルポイント惜敗は「騎乗停止」で決着

 裁決の結果、勝ち馬ミアネーロに騎乗していた津村騎手については、「最後の直線コースでミアネーロが外側に斜行したため、マーシャルポイントの進路が狭くなった」として9月30日から10月1日まで2日間の騎乗停止処分が下されはしたが、「着順を変更する事象とは認めなかったため、到達順位通り確定しました」と発表。ミアネーロの斜行については、「馬が外側に逃避したことも一因」とし、平地調教注意ということだった。

「うーん……これはなかなか難しい判定だったと思います。不利を受けたマーシャルポイントも突き抜けるかと思えるいい末脚でした。勿論、ミアネーロの脚色も鈍っていませんでしたけど、着順を変更する事象ではなかったとする判定には、ネットの掲示板やSNSでも賛否が分かれていましたね。

それに津村騎手も左鞭を入れている状況での斜行でしたし、騎手が制御できる問題ではなかったともいえます。だからこその平地調教注意だったんでしょうけど、裁定が甘いと指摘したファンの気持ちも少しは分かる気がします」(競馬誌ライター)

 また、このレースは、俳優の宮川一朗太さんもマーシャルポイントに出資していたらしく、自身のSNSで「降着なしかーーっ!」と残念がっていた様子。最近は審議のランプが点灯するケースも珍しくなりつつあるが、JRA側も「やったもん勝ち」と受け取られかねないケースについては頭を悩ませているかもしれない。

 結果的に後味の悪さを残したレースではあったが、マーシャルポイントに騎乗していたJ.モレイラ騎手が、「ナイスホースです。直線ではアンラッキーでしたが、すぐに勝てると思います」と能力の高さに太鼓判を押してくれたのは好材料。次走では文句なしの勝利を期待したい。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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