
角居勝彦氏が見据える「競走馬のセカンドキャリア」……超絶実績の調教師が描く未来と「誇り」

現在の日本競馬においてトップクラスの調教師の一人、角居勝彦氏。2004年のデルタブルースの菊花賞にはじまり、シーザリオ、カネヒキリ、ウオッカにヴィクトワールピサと、錚々たる名馬たちを育て上げてきた実績を持つ。今年も現在調教師リーディングで3位(16勝)である。
特筆すべきは、角居師の管理馬たちの「海外遠征」での実績だ。シーザリオはアメリカンオークスを制し、国内オークスと合わせて2つの国の女王となり、ヴィクトワールピサでのドバイWC制覇は日本馬が始めて世界最高レースでの頂点に立ったハイライト。ルーラーシップやハットトリックなども海外G1を制しており、それによって引退後の価値が上がる結果となっている。
角居師は自身のTwitterで以前「角居厩舎を立ち上げたとき、私は海外遠征という目標を掲げ、すべての仕事を世界の水準に合わせたいと言いました」と語っており、海外への思いは人一倍強い。厩舎を起こす前は松田国英厩舎、森秀行厩舎、藤沢和雄厩舎と日本競馬を代表する調教師のもとでスキルを磨いた。特に松田厩舎では「外から見ていて『変わったやり方をする人だな』と思われた松田国英というホースマンは、中に入ってみるといっそう、ビックリするほど新しかった」ともコメントしており、その影響を多分に受けつつ、独自の理論を形成していった様子だ。
2013年、JRAが2013年3月までに馬房数を2.5倍まで削減すると発表したのに反発し「1歳馬の預託を辞退する」と先陣を切って抗議したのも角居師。後に考えを改めたものの、JRAに反目するような動き、それも日本を代表するトレーナーである角居師が行動を起こしたことは大きな話題となった。「勝利をあげようとしてきた積み重ねを否定されるような預託頭数削減に対し、何らかの対応を取らざるをえなくなりました」と、調教師としてのプライドを強く感じさせる発言が印象的だった。
一調教師の枠を飛び越える影響力を有する「世界の」角居師。今年もクラシックの有力候補リオンディーズを預かるなどその好調ぶりは変わらずだが、最近では「競走馬の生涯」に関しても強い危機感を抱いている。
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