JRAの名門・松田国英厩舎が重賞勝ち「0」に「1月以降・出走ナシ」の衝撃。 助手が「未成年買春」で逮捕されるなど、低迷に歯止め掛からず……
松田国厩舎の関口氏の所有馬では、日本ダービーを単勝1.6倍の1番人気で敗戦したフサイチホウオーがいる。ダービー後、まるでこれまでの活躍が嘘のような不振に陥った本馬を見て、ファンの間では「マツクニ流のハードトレによって、精神的に追い込まれてしまったのではないか」という疑惑が流れた。これが松田国厩舎のフサイチ軍団による最後の重賞馬となっているのは、両者にとって何とも寂しい結末だ。
ただ、そういった事情もあり最近の松田国厩舎は、以前ほどのハードトレを敢行していない。結果的に時代の流れに歩み寄った形だが、それが逆に厩舎から個性を奪い、関係者からは「ますます成績不振に陥る要因となっているのでは」という声もあるようだ。
その一方、顕著な馬主離れが避けられない中、”トドメ”となるような事件が起こった。
2014年の4月、当時松田国厩舎の調教助手として活躍していた渡辺勉容疑者(当時)が、未成年相手の売春行為をしたとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕されたのだ。クロフネや重賞6勝のブロードアピールといった名馬を手掛けた腕利きによるまさかの事案に、厩舎やその周囲の関係者に大きな衝撃が走ったのは述べるまでもないだろう。
厩舎にとって重大なイメージダウンとなったことは間違いないが、周囲の信頼を取り戻すには実績を残すしかなかった。2014、15年と年間20勝未満に落ち込んだ松田国厩舎だったが、昨年には31勝に回復。同時に重賞を3勝するスマートオーディンという名馬も誕生した。父は師が手掛けてNHKマイルC(G1)を勝ったダノンシャンティと、厩舎ゆかりの血統馬でもあった。
しかし、この厩舎の出世頭を巡って、またも事件が起きてしまう。スマートオーディンが、同じ関西のライバル池江泰寿厩舎へ移籍することとなったのだ。