キタサンブラック「疑惑」に武豊騎手が発言。異例の「落鉄騒動」の裏側にある”捻じ曲げられた真相”と現役王者を巻き込んだマネーゲーム
つまり他メディアの既報通り「キタサンブラックにレース中の落鉄はなかった」という見解を示したということになる。
その上で花岡氏は「蹄鉄の先端を引っ掛けて曲がってしまっていた可能性はあり、もしそうだったとしたら走りづらい部分もあったかと思います」として、本件の結論としている。
花岡氏が最後に指摘した通り、確実な真相といえるものは依然不明瞭なままだ。しかし、福永祐一騎手や小牧太騎手といった、JRA関係者も数多く記事やコラムを連載する業界最大手のメディアが可能性として「レース中の落鉄はなかった」と認めた事実は大きい。
これらを受け、翌日の29日に見解を示したのがキタサンブラックの主戦である武豊騎手だ。
武豊騎手は『キタサンブラックの惜敗』と銘打ち自身の公式サイトを更新。ジャパンCの敗戦について「左前脚の落鉄が悔やまれる」とレース直後の主張を崩してはいないものの「あとでビデオや写真で検証してみると、どうやらゴール地点では蹄鉄がついていたようです」と、レース中の落鉄はなかったことを認めている。
しかし、「でも、なんとなく違和感があったので、どこか早い時点で緩んでいて、ゴールの後に外れた可能性が高いのではないかと思われます」と騎手としての独自の見解を披露。この点は「落鉄だけでなく、蹄鉄がズレているなどの事実を確認できる写真はなかった」という花岡氏との主張とは微妙に食い違うところだ。
どちらの見解がより正確なのか、今となっては検証のしようもない。とはいえ、武豊騎手が「まあ、それを抜きにしても負けて強しの内容だったでしょう」と、この話を切り上げているように、どちらの”旗色”が悪いのかは一目瞭然だ。
この問題の最も本質的なところは現役王者のキタサンブラックが、シュヴァルグランやレイデオロに「純粋に力負けしたのか、否か」という点に尽きるだろう。これによりキタサンブラックの競走馬としての価値は上下し、今後の評価にも大きく影響してくる。