JRA堀宣行調教師「パワハラ裁判」で敗訴。現代社会に取り残された”村社会”で、あの超大物調教師にもパワハラ疑惑が……
今、関東を代表して競馬界を席巻している厩舎といえば、なんといっても「藤沢和雄厩舎」と「堀宣行厩舎」の2大巨頭だ。
長く関東の競馬界を牽引し、今年レイデオロでついに悲願の日本ダービー(G1)制覇を成し遂げた藤沢厩舎。さらにオークス馬ソウルスターリングや2歳王者サトノアレス、今週の朝日杯FS(G1)にも主戦のC.ルメール騎手が「ロードカナロア級」と絶賛するタワーオブロンドンを送り込むなど、かつての名門が完全復活を遂げている。
また、ここ2年連続でJRAの最多獲得賞金を受賞している堀厩舎もキタサンブラックの最大のライバルとなるサトノクラウンや、香港G1馬ネオリアリズム、長距離王アルバートなど重賞馬が目白押し。近年は2冠馬ドゥラメンテや、2015年の年度代表馬モーリスを手掛けるなど、今や押しも押されもせぬ”最強厩舎”として君臨している。
こういった強豪厩舎は、周りのライバルと「何」が違うのか。
無論、入厩してくる「馬の質が異なる」といえばそれまでだが、最初から超良血馬がバンバン入厩していたわけではない。”そこ”に至るまでの過程があるのは当然だ。
「馬」に大きな差がなければ、考え付くのは「人」だろう。言い換えれば、強豪厩舎であればあるほど他のライバルには真似できないような、厩舎スタッフの血の滲むような「努力」があることは想像に難しくない。
よく調教師が「社長」に例えられるように、厩舎とは「企業」に近いものがある。つまり栗東や美浦のトレセンには、大量の”同業社”がひしめいているというわけだ。その中で明確な差が生まれるのは、各社の企業努力の差に他ならない。つまり一般的な企業と同じく、そこには社を支える「従業員」の明確な尽力が、確実に存在しているということだ。
だが、会社があまり結果に拘り過ぎて従業員を追い詰めると、今度は不満が爆発した人々から容赦なく訴えられるのが今の社会である。