JRAフェブラリーS(G1)武豊より藤田菜七子よりアイツ!? 競馬女王桃井はるこの「平成最後のダート王」見立て
――インティはここ4戦、走っているのが1800m。逃げた際には前半36秒台のラップを記録しています。フェブラリーSは、前半のラップが34秒台というのも珍しくないため、前走のようにすんなり逃げられるかは疑問です。
桃井はるこ:前々走の準OP戦では番手の競馬を見せていました。しかしダートは条件戦とOPには明確な差が存在するので、そのとき通じたから今回も……、という簡単な話ではない。
実はサンライズノヴァを本命にしているのも、サンライズソアら前で戦う馬が競り合ってハイペースになると考えているからなんですよね。そうなってしまうと、インティに展開が向かないのではないかと思っています。
逃げるのか、それとも違う戦法を選ぶのか、武豊騎手の決断も気になるところ。でも、様々な不安をねじ伏せるかのような強い内容で勝利して、ダートの超新星誕生という結末を迎えてくれたら最高なんですけどね。
――本命は後ろから行く馬、その対抗は前に出る馬。どのような展開になっても対応できそうですね。では、それらを踏まえつつ3番手は?
桃井はるこ:めちゃくちゃ迷ったんですけど、モーニン(牡7歳、栗東・石坂正厩舎)ですね。
16年のフェブラリーS覇者。前走の根岸Sでは4着でしたけど、このときは斤量が58kg。今回はそれよりも1kg減での出走となりますので、逆転可能なのでは?近走でも上がり2位のタイムを出しています。まだ衰えたというには早いはず。
そして、ゴールドドリーム(牡6歳、栗東・平田修厩舎)。実績上位ですし、本命視する人も多いでしょう。
この馬は放牧した後、必ず仕上がって帰ってきますからね。勝てそうなときにしか出てこないって印象すらあります。一昨年のドバイ遠征後に一時崩れたものの、その年の暮れのチャンピオンズC(G1)で完全復活を遂げると、その後は一度も連対を外さないバツグンの安定感を誇っています。
ゴールドドリームは東京大賞典でオメガパフュームに遅れを取りました。だけどこのときは斤量差が2kgもあったので、これが敗因だったのではないでしょうか。距離、コースが違いますが、斤量が五分になれば、逆転も可能ではないかと思ってます。多少うるさいところがあるので、心配なのはその気性面くらいですかね。
最後の1頭が、昨年の勝ち馬ノンコノユメ(セ7歳、美浦・加藤征弘厩舎)。事前の予想オッズでは7番人気。これはちょっと低すぎる気がします。
確かにフェブラリーS後はG1競走を連戦するも馬券圏内にも入っていません。だけど、 “優勝”という明確な実績を持つ馬を軽視するのは怖いんですよねぇ。フェブラリーSは、後ろから競馬をする馬が上位に来ることも多いですからね。
――ありがとうございます。これまで推し馬の名前を5頭あげていただきました。ですが、今回有力視されているオメガパフューム(牡4歳、栗東・安田翔伍厩舎)の名前が上がりませんでした。
桃井はるこ:オメガパフュームは東京大賞典では強い競馬を見せてくれました。しかし、東京大賞典からフェブラリーSへ向かうローテを組んだ馬は、過去10年で[0.1.4.10]とあまりいい結果を残せていないんです。1600mも忙しい気がします。