フェブラリーS(G1)コパノキッキング「Dr.コパ」からファンに最後のお願い!? 藤田菜七子騎手をG1初制覇に導く「秘策」とは
コパ:やっぱり同日に同じコースを走らせてあげたいと思って。でもこれは菜七子のためだけじゃないんだよね。
前に村山(明)厩舎にテスタマッタっていうフェブラリーS(2012年)を勝った馬がいて、この馬が東京に遠征するときに(コパノ)リッキーを帯同させてもらってたんだ。
それでリッキーはテスタマッタから「強い馬っていうのはこうなんだ」っていうのを学んだの。逆にテスタマッタもやんちゃな馬だったんだけど、年下のリッキーが帯同することによって、お兄ちゃんとして「教えなきゃいけない」っていう自覚が芽生えたらしいんだ。
――テスタマッタはその後もG1戦線で活躍し、コパノリッキーは最多勝記録のG1・11勝を上げた。
コパ:両方に相乗効果があった。だからキッキングもご存知のように(デビュー前からセン馬)やんちゃですから(笑)。ミヤケを帯同させることでミヤケも勉強になるけど、キッキングも「立場が人を作る」じゃないけど、精神的に成長することが狙いなんだ。
――実際に根岸Sの時もミヤケが帯同している。
コパ:そうそう。それがお兄ちゃんとしての成長につながって1400mでも落ち着いて走れたんだと思うよ。
――ただ、前走で騎乗したO.マーフィー騎手が1600mは「ノー」と……。
コパ:「僕なら持たせるけどね」っていう自信だと思うよ(笑)。でもゴール前でソラを使った(抜け出して気を抜いた)らしいんだ。ということはキッキングには、まだ余裕があるってことだよな。
マーフィーも「併せに行ったらまだ伸びる」って思ったらしくて、最後も(2着の)ユラノトの近くに併せに行ってるんだよ。東京の1400mでこれなら、マイルでもやれるんじゃないかな。
――本番へ向けて負けられないレースだった。
コパ:マーフィーは上手いねえ。あそこで勝ってくれないと、こんな話もできなかったわけだから。23歳でイギリスのリーディング2位でしょ、すごい騎手だよね。実は負けられないから、最初は武豊で行こうと思ってたんだ。向こうに乗り馬(マテラスカイ)がいて叶わなかったんだけどね。
――そして、マーフィー騎手が勝って、今度は武豊騎手ではなく、藤田菜七子騎手にバトンをつないだ。
コパ:武さんもズルいよ、あんな強い馬(インティ)に乗っちゃって(笑)。
でも、藤田菜七子が理想としている騎乗フォームって、武豊だと思うんだ。追ったときの重心の低さとか、だんだんに似てきてるよね。腕の長さは違うんだけど、関節と手首が柔らかくて「柔らかく乗れる」っていう共通点がある。その当たりの柔らかさがキッキングにも合ってる。
デビューしたての頃は、手足の動きがバラバラで追い難そうだったけど、最近は上手くなってきた。欲を言えばムチをもうちょっと上手く使えたら。武豊のムチの入れ方って本当に的確。無駄がないっていうか。そこをもっと学んで盗んでほしいね。
――今年のフェブラリーSはコパノキッキングに加え、武豊騎手のインティ、C.ルメール騎手のゴールドドリーム、M.デムーロ騎手のオメガパフュームが「4強」を形成。
コパ:どの馬も騎手も本当に強いよなあ。彼らに菜七子で対抗しようっていうんだから。「4強」って言われてるみたいだけど、ウチはあくまで胸を借りる立場。馬も人もチャレンジャーだから。
(昨年末の)東京大賞典(G1)、俺のワークアンドラブも出てたから大井で観てたよ。オメガパフュームが勝った後、デムーロが表彰台に行くとき「(コパノキッキングのカペラS(G3)勝利)おめでとー」って言ってきたから「オメガパフュームは強えな」って返したら「強いよー」って言ってたからさ……強いんだよ(笑)。
ゴールドドリームだって、この間よりも調子を上げてくるだろうし。サンライズの2頭(ノヴァ、ソア)もいい馬だしね。
――フェブラリーSの作戦は? 後方からの競馬になると言われているが。
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