
【キーンランドC(G3)展望】札幌で行われる電撃戦!! 混戦模様の1戦を制して秋のスプリンターズSへ向かう1頭は……
8月25日、札幌競馬場でキーンランドC(G3、芝1200メートル)が開催される。6月に行われた函館SS(G3、芝1200メートル)において薬物騒動で競走除外になってしまった馬も登場してくる。レースを展望しよう。

函館SSを除外されてしまったのがダノンスマッシュ(牡4歳、栗東・安田隆行厩舎)。秋のスプリンターズS(G1、芝1200メートル)を目指して、改めてキーンランドCからスタートする。昨年、スプリント路線に転向するとメキメキと頭角を表し、京阪杯(G3、芝1200メートル)とシルクロードS(G3、芝1200メートル)で重賞を連勝すると今年の高松宮記念(G1、芝1200メートル)では1番人気に支持された。
ところが結果は4着。この敗北についてはいくつかの見方ができる。1つはダノンスマッシュ自身も先行していたものの前にいたのが人気薄のセイウンコウセイだったため、後ろから差されるのを警戒して追い出しが遅れてしまったというもの。もう1つは明らかに切れ負けだったという見方。あるいは、内先行有利の馬場だったため、7枠13番は不利だったと考えることもできる。
いずれにしろ、高松宮記念で圧倒的パフォーマンスを発揮できなかったのは事実で、ここでは勝ち負けできても本番スプリンターズSでの過信は禁物かもしれない。

7頭立ての函館SSで1番人気ながら3着に敗れてしまったのがタワーオブロンドン(牡4歳、美浦・藤沢和雄厩舎)。前々走の京王杯SC(G2、芝1400メートル)をレコードで制しているようにスピードは一級品。超スローとなった函館SSは上がり3F最速の33秒5の末脚を使っても届かなかったが、初めてのスプリント戦に対応でたとも言える。2度目のスプリント戦で結果を出したい。
菊花賞(G1)と有馬記念(G1)を勝ったサトノダイヤモンドの半妹がリナーテ(牝5歳、栗東・須貝尚介厩舎)。函館SSを除外になるとUHB賞(オープン、芝1200メートル)を快勝してキーンランドCに臨んできた。今年に入って京都牝馬S(G3、芝1400メートル)と京王杯SCで2着しているように、5歳にして本格化してきた、良血馬だけに重賞初制覇も可能だろう。
芝のスプリント戦は【2・2・0・0】という実績を誇る3歳馬がアスターペガサス(牡3歳、栗東・中竹和也厩舎)。新馬戦と函館2歳S(G3)を制すると距離延長にチャレンジしたが結果が出ず、近2走でスプリント戦に戻ると葵S(重賞)と函館SS(G3)で2着に好走している、函館SSの52キロから1キロ増えるが問題はないだろう。5連勝で葵Sを勝ったディアンドルは北九州記念(G3、芝1200メートル)でも2着に差してきたように、アスターペガサスも侮れない存在だ。
見事なダッシュ力でアイビスサマーD(G3、芝1000メートル)を制したのがライオンボス(牡4歳、美浦・和田正一郎厩舎)。これで新潟の千直は3戦3勝とした。同馬はずっとダートを使われ、初の芝レースとなったのが1200戦。16頭立ての16着だったが、果敢なダッシュを見せていた。芝のスプリント戦を経験したのはこれ1回のみ。ならば、スプリント戦は苦手と見るよりも克服可能と見ておくほうが正解だろう。
高松宮記念で一昨年は優勝、今年は2着という実績があるのがセイウンコウセイ(牡6歳、美浦・上原博之厩舎)。逃げ・先行がはまれば怖い存在だ。ナックビーナス(牝6歳、杉浦宏昭厩舎)は昨年の高松宮記念で3着、キーンランドCで優勝。実績に不満はないが、相手が弱ければ走るというタイプかもしれない。
仕切り直しを余儀なくされたダノンスマッシュがスプリント界の頂点に立つための好スタートを切れるのか、思わぬ伏兵が台頭するのか。キーンランドCは8月25日、札幌競馬場で15時35分発走予定だ。
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