GJ > 競馬ニュース > 「奇跡の馬」サンデーサイレンス(前編)  > 2ページ目
NEW

交通事故で乗り合わせたすべての馬が死亡……度重なる危機を奇跡的に乗り越え、最後は年度代表馬に。人知を超えた「奇跡の馬」サンデーサイレンス【前編】

【この記事のキーワード】, ,

 運転手が心臓発作を起こしてしまったため、暴走した馬運車がそのまま横転。他にも数頭の仔馬が乗っていたが、サンデーサイレンス以外はすべて死亡した。また、奇跡的に助かったサンデーサイレンスも、しばらくはまっすぐに歩けないほどの重傷を負った。

 それでも驚異的な生命力をもって回復したサンデーサイレンスは、最終的に生産者と調教師、それに知人の歯科医との三人共同で所有する形でなんとか競走馬として登録された。当然ながら、何の期待もされていなかった本馬だったが、デビューに向けて調教を重ねていくうちに秘められていた頭角を現してゆく。

「おい、あの真っ黒いヤツは走るぞ」

 調教師からのそんな連絡に、売れないまま仕方なくサンデーサイレンスの馬主になった生産者も大変驚いたらしい。しかし、この言葉に偽りはなく、デビュー戦こそ2着に敗れたものの、次戦で初勝利。仔馬の頃とは打って変わり、サンデーサイレンスは競走馬として順調なスタートを切った。

 年が明けて3歳となったサンデーサイレンスの快進撃は止まらない。2勝目を挙げて挑んだG2もあっさりと勝利。さらに次走のサンタアニタダービー(G1)を11馬身差で圧勝したことで、一躍クラシック候補に躍り出た。

 しかし、G1を11馬身差で圧勝したにも関わらず、サンデーサイレンスはクラシック戦線の”脇役”に過ぎなかった。無論、本馬に競走馬としての見栄えが悪かったことや、血統的な背景がなかったことも関係している。だが、それ以上に1989年の米国クラシックには純然たる”主役”がいたからである。

 それこそがデビュー以来、アメリカの伝説的な三冠馬「セクレタリアトの再来」と絶賛されていたイージーゴア。サンデーサイレンスの生涯無二のライバルである――。

交通事故で乗り合わせたすべての馬が死亡……度重なる危機を奇跡的に乗り越え、最後は年度代表馬に。人知を超えた「奇跡の馬」サンデーサイレンス【前編】のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

17:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. J.モレイラ「出禁回避」へ負けられない戦い! 桜花賞馬ステレンボッシュは「騎乗不可」、日本ダービーでも悩ましい選択?
  2. JRA「理由なき」単勝115.9倍の皐月賞(G1)勝利に呆然……ナリタブライアンのレコードを塗り替えたのは、約110億円分を一瞬で「紙クズ」にしたお騒がせホース
  3. 【オークス】「実質未勝利勝ち」4頭参戦にトライアル組は貧乏クジ? 優先出走権も事実上の無意味…トップクラスの参戦見送りに泣いた陣営と笑った陣営
  4. G2降格ひとまず回避も「微妙な立ち位置」に変わりなし?キングカメハメハ、ディープスカイがダービー馬も…「役割を終えた感」を拭えないNHKマイルC
  5. C.ルメールが「過怠金」横山典弘が「騎乗停止」に賛否両論!? 覚悟の突撃と不可抗力…JRAの一貫した判断とは
  6. 【ヴィクトリアマイル】ソダシ、ソングライン、ナミュールの激走を見抜いた“マイル三冠王”が今年も完全制覇へ自信の一手!マスクトディーヴァの取捨は?
  7. 35年ぶりのJRA最多勝記録更新も視野!? 川田将雅に匹敵する3着以内率62.2%…今「最も信頼できる騎手」森一馬が凄い!
  8. J.モレイラ、日本ダービー「本命」はレガレイラを破った4.5億円ホース!? 皐月賞2着コスモキュランダ乗り替わり発表から、鮮やかな優駿切符ゲット!
  9. 【日本ダービー】「力があるね」「大したもん」田原成貴氏&安藤勝己氏も高評価!打倒ジャスティンミラノに「最大の惑星」が名乗り
  10. 武豊「クラシック好走」の実力牝馬と新コンビ結成! 最多勝利新人騎手にも輝いた「かつてのホープ」が2度目の降板に