真剣勝負の裏にある真実に斬り込むニュースサイト・GJ
GJ
真剣勝負の真実に切り込むニュースサイトGJ
NEW
2016.09.12 08:00

交通事故で乗り合わせたすべての馬が死亡……度重なる危機を奇跡的に乗り越え、最後は年度代表馬に。人知を超えた「奇跡の馬」サンデーサイレンス【前編】
編集部

今から30年前の1986年の3月25日。アメリカのケンタッキー州にあるストーンファームで、一頭の青鹿毛の仔馬が誕生した。1989年の米国年度代表馬……いや、その後、日本の競馬界において伝説的な存在となるサンデーサイレンスである。
「あんなひどい仔馬は見たことがない」
生まれたばかりのサンデーサイレンスを一目見て、生産関係者はそう嘆いたらしい。だが、それも仕方がない。競走馬として致命的ともいえる欠陥を抱えた、異様に長い脚。さらにそれが外側に曲がり、華奢な上体がこの仔馬のアンバランスさを際立たせていた。
また、産まれてからわずか半年で致死性の腸内ウイルスに感染。サンデーサイレンスは数日にわたってひどい下痢を繰り返し、生死の境をさまよいながらもなんとか生き永らえた。しかし、お世辞にも良いとは言えない血統、人に危害を与えかねない激しい気性は、幼少期の関係者からは「目にするのも不愉快」とまで言わしめるほど酷いものだった。
そうなると当然、まともな買い手などいるはずもない。翌年、セリに掛けられたサンデーサイレンスだったが、血統も見栄えも悪いことから、まず普通のサラブレッドが参加するセリの出品許可すら下りなかった。
結局、ひとつ下のクラスで出品されたが、1万ドル(当時の200万円程度。ちなみに産駒のディープインパクトは7,000万円で取引された)で叩き売られそうになったところを、生産者がしぶしぶ買い戻すはめとなる。
その後も様々な馬主に相談するが歯牙にも掛けられず。セリにかけても、まったく値が上がらないために買い戻す。そんな競走馬になることさえ危ぶまれていた、ある日……。
カリフォルニア州のセリからの帰り道で、サンデーサイレンスを乗せた馬運車が横転する事故に遭った。
PICK UP
Ranking
5:30更新JRA「謎の主取り」ディープインパクト産駒「大盛況」も唯一の敗者……セレクトセール「平均2億円」ディープ特需に埋もれた“13番目の男”とは
JRA“6億円馬”ディナシー「セレクトセール最高落札馬は走らない」負の格言代表的存在が繁殖牝馬セールへ
アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- キタサンブラック産駒を超高価格で落札「謎の購買者」が2年連続で話題に? 昨年の落札馬は「有名オーナー」の名義に
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「庭先取引」の問題点を一変させたセレクトセール!億超え馬を落札する名物オーナーたちも登場…オープンでフェアな取引に多大な貢献【競馬クロニクル 第63回】
- JRA「6億円」の衝撃から3年、まさかの「名義変更」から2カ月。アドマイヤが“北の大地”で存在感を示す!
- JRAも「G1同日開催」を増やすべき? 香港春競馬「大変革」に日本競馬の進化を求める声も……