JRA天皇賞・秋(G1)「ホントにステイヤー?」ユーキャンスマイルが中距離でも怖い「多数」の要因
今年のJRA・G1で最大の注目を集める天皇賞・秋(G1)。世間は「アーモンドアイVSサートゥルナーリア」に目が行ってしまう状況だが、伏兵陣も「伏兵」という表現が申し訳ないほどのメンバーが揃う。
その中で、いかにも「伏兵らしい伏兵」が、“ステイヤー扱い”を受けるユーキャンスマイル(牡4 栗東・友道康夫厩舎)だ。前走は2000mの新潟記念(G3)で2番人気に推され、ジナンボーをクビ差おさえ、勝利している。
ここまでダイヤモンドS勝利、菊花賞3着、天皇賞・春5着と、長距離重賞でハイレベルな結果を残してきたユーキャンスマイルだけに、新潟記念で見せた上がり最速33.6秒のキレ味は、多くのファンにとっても想定外だったかもしれない。
ただこの馬、そもそも「ステイヤーなのか」という疑問がつく部分は、多々あるようだ。
「昨年3着の菊花賞は超がつくスローペースで『スタミナ勝負ではない』といわれ、勝利したのもキレ味鋭いフィエールマンでした。その後も万葉S、ダイヤモンドS、天皇賞・春と超長距離を走っていますが、万葉とダイヤモンドに関しては『メンバーのレベル』に疑問がつき、ユーキャンスマイルほどの安定感なら勝負になって当然ともいえます。天皇賞・春はしぶとく走ったものの、上位には大きく差をつけられています。
そもそも父キングカメハメハは、長距離G1が『鬼門』の種牡馬。過去10年で菊花賞で馬券圏内を確保した同産駒は2010ローズキングダム2着、2016エアスピネル3着、昨年のユーキャンスマイル3着のみ。天皇賞・春に至っては、過去10年で馬券圏内に1頭もいないという極端さです。
ローズキングダムとエアスピネルも本質的な長距離馬ではありませんし、ユーキャンスマイルも御多分に漏れず、ということも十分にあるでしょう。逆にいえば、そんな『いわくつきの血統』でここまで長距離を走っているというのは、それだけの能力を有している証明ともいえるのではないでしょうか。実は2000mで連対率100%なのも気になります」(競馬誌記者)
ユーキャンスマイルは一応母父がダンスインザダークのため、それが長距離をこなせる血統的要因といえなくもないが、やはりキングカメハメハ産駒であることを考えると「本来の適性が別にある」と考えられてもおかしくはないのだ。
「鞍上が岩田康誠騎手なのも怖いですね。今年はユーキャンスマイルで重賞を2勝しており、手が合っている印象。さらに、ここぞの『イン突き』など思い切った騎乗ができるのも強みです。先日も府中牝馬Sでスカーレットカラーを勝利に導いていますし、一発を狙っていそうです」(同)
とはいえ相手がこれまでとは比較にならないハイレベル。キレ味があるとはいえ、人気上位馬よりは劣るはず。ハイペースのスタミナ勝負、やや渋った馬場になれば御の字といったところかもしれない。
でも、やはり、それでも、何か不気味な存在だ。
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