
JRA『没落』ジャパンC(G1)だけじゃない!?『元』世界一ペガサスワールドカップ(米G1)に襲いかかる脅威
現地25日アメリカ・ガルフストリームパーク競馬場で『元』世界最高賞金レースのペガサスワールドカップ(G1、ダート1800m)が開催される。なお日本馬の出走予定はない。
ペガサスワールドカップは2017年に当時世界最高賞金を謳い文句にストロナック・グループ主催により始まったレースである。他のレースと大きく異なる点は出走枠を購入しなければならないという点。その出走枠の売上からも賞金が捻出されるため、世界最高賞金が実現したというカラクリだ。
2017年、出走料100万ドル(約1億1000万円)、総賞金1,200万ドル(約13億2000万円)で華々しくスタートした。しかし2019年にペガサスワールドカップターフの新設に伴い、出走料50万ドル、総賞金900万ドルに減額された。そして今年は出走料の廃止、総賞金300万ドルに変更、そして薬物の禁止が追加された。
今年の変更について米競馬メディア『bloodhorse.com』によると、IFHA(国際競馬統括機関連盟)のスタンダードに沿ったものということで、主催者から「薬物に頼らない新たな機会を設けるために競馬会の将来へ投資する」とコメントがあった。この薬物とは米競馬界では広く認められているラシックスなどにあたる。
このような競馬会の将来を見据えた発表がされたにも拘わらず、今年の出走馬のレベルはなんとも言えないところだ。
原因のひとつには『サウジカップ』の開催がある。サウジカップは今年新設となる賞金総額2000万ドル(約22億円)で行われる。もちろん賞金総額は世界一である。2月29日サウジアラビア・キングアブドゥルアジズ競馬場ダート1800mで行われるため、同じ距離・近い開催時期となれば賞金に目がくらむのも仕方ない。
賞金減額を受けて、G1を3勝しているマキシマムセキュリティ陣営は「4週後に2000万ドルのレースがあるのに300万ドルのレースに出る必要があるのか」とコメント。そして実際にペガサスワールドカップへの出走へ至らないこととなった。
更に追い打ちをかけるように、23日に1番人気に支持されると思われたオハマビーチが骨折による出走取り消しと種牡馬入りが発表された。すでに昨年のブリーダーズカップダートマイルの勝ち馬スパントゥランも出走取り消しを発表しており、2頭の有力馬が抜けて10頭立ての開催予定となる。
かつてジャパンC(G1)が賞金を売りに海外馬を招いていたが、昨年ついに創設以来初の外国馬出走0頭となった。
これには賞金以外にも様々な要因は考えられるが、高額賞金レースは先述のサウジカップやドバイワールドカップ(賞金総額約13憶2000万円)をはじめとした『中東』、ジ・エベレスト(賞金総額約8億円)をはじめとした『豪州』がスタンダートとなっている。
高額賞金を謳い文句に海外馬を招けなくなったのは日本だけでなく、アメリカも同じなのかもしれない……。
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