JRAディアドラとメイショウマンボが歩んだ名牝街道へ……「隠れ出世レース」で好走したハープスター妹に期待
16日(日)に京都競馬場で行われた3歳1勝クラスの「こぶし賞」(芝1600m)。7頭立ての少頭数となったが、直線は2頭の激しい叩き合いが続く、見応えあるレースとなった。
勝ったのは2番人気のサトノインプレッサ。道中、最後方を進み、4角で大外に持ち出すと、直線鋭く伸びて、1番人気のギルデッドミラーをクビ差捕らえた。
サトノインプレッサはこれでデビュー2連勝。今後はクラシック路線、マイル路線のどちらに進んでも有力馬の1頭として注目を浴びるであろう、そんな勝ちっぷりだった。
優勝馬にゴール前差されたが、2着に粘ったギルデッドミラーも「負けて強し」のレースぶりを見せた。道中は終始掛かり気味で、これがゴール前の惜敗につながったと言えるだろう。
鞍上の福永祐一騎手も「引っ掛からないようにゆっくりゲートを出しましたが、なかなかハミが抜けなかった。その割には最後までバテずに伸びてくれました」と話しているように、粗削りな部分を残しながらも、伸びしろがありそうだ。
3着には4番人気のゴールドティアが入り、今年のこぶし賞は2~3着が牝馬という結果に終わった。1勝クラスで決して注目度も高くない同レースだが、実はここで馬券に絡んだ牝馬はその後に飛躍する確率が高いことで知られている。
2010年から昨年までの過去10年で、牝馬の成績は「3-0-2-21」。5頭が馬券圏内に入っている。その顔ぶれは以下の通りだ。
2017年 3着 ディアドラ
2015年 1着 ペルフィカ
2013年 1着 メイショウマンボ
2012年 3着 トーホウアマポーラ
2010年 1着 オウケンサクラ
3年前のこぶし賞で3着に入ったのが、国内外でG1競走2勝を挙げているディアドラだ。本格化前ながら、その後もアネモネS(OP)2着から桜花賞(G1)に参戦(結果は6着)。その後500万下の矢車賞で2勝目を挙げると、オークス(G1)で4着に食い込み、秋の秋華賞(G1)制覇へとつなげ、19年には英ナッソーSで海外G1制覇も果たした。
2013年のこぶし賞を制したメイショウマンボは、その後にフィリーズレビュー(G2)も優勝。桜花賞は10着に敗れたが、9番人気で臨んだオークスでG1制覇を果たした。秋も秋華賞、エリザベス女王杯とG1を連勝。3歳時に国内G1を3勝以上した牝馬は2000年以降、6頭しかいないが、メイショウマンボはそのうちの1頭である(ジェンティルドンナとアーモンドアイが4勝、ダイワスカーレット、スティルインラブ、アパパネ、メイショウマンボが3勝)。
2010年のこぶし賞を制したのがオウケンサクラ。その後、チューリップ賞(G3)で4着に敗れたが、フラワーC(G3)を制覇。3番人気で臨んだ桜花賞ではアパパネの2着に入った。
5頭のうちディアドラとメイショウマンボが複数のG1を制覇。オウケンサクラが重賞制覇を果たすなど、こぶし賞で好走した牝馬にとっては“出世レース”と言えるだろう。
2着のギルデッドミラーも強いレースぶりだったが、3着のゴールドティアも桜花賞馬ハープスターを半姉に持つ超良血馬。ただし2頭とも賞金を加算できなかったため、牝馬クラシック路線に進むには次のレースで優勝、もしくは権利取りが絶対条件となる。
果たして“出世レース”で好走したギルデッドミラーとゴールドティアはディアドラ、メイショウマンボと同じように牝馬G1制覇への道を歩むことができるだろうか。長い目で期待したい2頭だ。
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