JRA阪急杯(G3)ベストアクター浜中「主演男優賞」ゲットで自ら復帰祝い
1日、阪神では第64回 阪急杯(G3)が行われ、6番人気の伏兵ベストアクター(騙6、美浦・鹿戸雄一厩舎)が、馬群から抜け出して鮮やかな勝利を飾った。父ディープインパクト×母ベストロケーション、祖母にダイナアクトレスがいる良血だ。
鞍上・浜中俊騎手は昨年11月24日の京阪杯(G3)で騎乗したファンタジストが故障した際に落馬負傷。29日の土曜に復帰したばかり。土曜は3鞍に騎乗して勝利をあげることはできなかったが、翌日曜には阪神6Rで復帰後初勝利をあげると続けて8Rも連勝して勢いづくと、メインレース阪急杯も見事な手綱捌きで穴馬を勝利に導いた。
また、直線ではインを突いた北村友一騎手のダイアトニックが、川田将雅騎手のフィアーノロマーノの進路を塞ぐ格好となり、審議となった。どちらも勝つためにはやむを得なかった進路取りの結果であり、不注意騎乗の裁決結果は北村友騎手には厳しい結果となった。
昨年のダービージョッキーが完全復活だ。
レースはニシノラッシュが逃げ、これにクリノガウディー、マイスタルが続いて前半34秒1の平均ペース。ベストアクターは好スタートを決めるも鞍上の浜中騎手は先団からやや離れた後方に下げる。直線に入り、ごちゃつく先行勢を避けて外に進路を確保すると1番人気ダイアトニックと2番人気フィアーノロマーノの争いを楽な手応えで交わし去った。
「スタートが良く、理想的な位置を取ることができましたし、直線もうまく進路を見つけて馬群を割ってこれた」と会心の勝利に浜中の喜びもひとしおだ。
順調な回復と懸命なリハビリで予定よりも1ヶ月早くなった復帰戦ではあったが「たくさんの人に心配をかけて申し訳ないと思っていたので、いい形で結果が出せてうれしい」と完全復活を印象付けた。
勿論、これが初重賞となったベストアクターもフロック勝ちではない。祖母に名牝ダイナアクトレスがいる良血馬。素質馬ながらも体質の弱さがこれまで出世を遅らせる原因でもあった。
管理する鹿戸雄一調教師は「今日は祖母のダイナアクトレスの命日なんですってね。この馬も難しいところがあるので、人が少なかったのはよかったかもしれません。去勢してから、本当に強くなりました」と愛馬の成長と祖母との縁に目を細める。
陣営によると、このあとは一息入れて京王杯SC(G2)から安田記念(G1)に向かうとのこと。
遅咲きの素質馬が、脇役から雌伏の時を経て、春の主役をめざす。
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