JRAモズアスコットに続け!「凱旋門賞」挑戦馬クリンチャーに「復活」の兆し!?
2月29日に行われた仁川S(L)は、3日付で引退した作田誠二調教師が管理するヒストリーメイカーが優勝。引退を控えた伯楽にとっては、メインレースでの勝利は引退に花を添えるものになった。同レースには、かつて凱旋門賞に挑戦したクリンチャー(牡6歳、栗東・宮本博厩舎)も出走した。
3歳秋に本格化したクリンチャーは菊花賞(G1)で2着に入り、明け4歳の京都記念(G2)ではアルアイン、レイデオロらG1馬を抑えて重賞初勝利を飾る。その後も、阪神大賞典(G2)を3着、天皇賞・春(G1)も3着と好走し、秋には凱旋門賞(G1)挑戦を敢行する。
しかし、フランスでは結果ふるわず、前哨戦のフォワ賞(G2)6着、凱旋門賞(G1)17着と惨敗を喫する。
フランス遠征をきっかけに、クリンチャーは別馬になったかのような大不振に陥る。帰国初戦の有馬記念(G1)の15着を皮切りに、重賞を6走するも1度も掲示板に載ることができなかった。
だが、転機となったのが初のダート挑戦となった先日の仁川Sだ。後方からレースを進め、直線では馬群の間を伸び、勝ち馬に半馬身差まで迫る2着。今までの不振が嘘のような走りを見せ、今後のダート路線に活路を見出した。
クリンチャー以外にも、今年に入りダート転向馬の活躍が目立っている。
2月、モズアスコットが初ダートで根岸S(G3)を勝利し、勢いそのままにフェブラリーS(G1)を制覇。芝・ダート二刀流のG1馬となった。また同月、ブレスジャーニーも初ダートのアルデバランS(OP)で3着と好走した。2歳時に重賞2勝をあげ、スワーヴリチャードを下した実力馬が輝きを取り戻しつつある。
この3頭のダート好走には、血統背景の裏付けがある。
「クリンチャーの兄フォースフルはダートで3勝を挙げている。モズアスコットの母系はアメリカ血統で、ダート適性があるだろう。ブレスジャーニーの父バトルプランの産駒はダートで好走。これまで地力の高さで芝レースでも勝っていたが、本質的にダートが向いているのかもしれない」(競馬記者)
またこの3頭は6歳馬。同世代にはレイデオロ、アルアイン、スワーヴリチャードといったG1馬がいるハイレベルな世代だ。これら強力なライバルたちが引退した後も、ダートという新しい道を歩んでいる。
6歳は競走馬としてまだまだ活躍が期待できる年齢。クリンチャーの次走は、29日マーチS(G3)を予定している。二刀流モズアスコットに続けるか注目したい。
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