JRA皐月賞(G1)C.ルメールが「不安材料」!? サトノフラッグ弥生賞の再現狙うも「鬼門」だらけ……
19日、中山競馬場で皐月賞(G1)が開催される。2歳G1馬のコントレイル、サリオスと並んで「3強」の評価を得ているサトノフラッグ(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)に注目したい。
前走の弥生賞ディープインパクト記念(G2)は、後方からレースを進め、3コーナーから徐々に進出を開始。大外を回して直線を向いた時には、すでに先頭を射程圏に収める。抜け出しを図ってからは、長くいい脚を使い2着のワーケアに1馬身3/4の差をつけて快勝した。まるで父ディープインパクトを彷彿とさせるレース内容だ。
武豊騎手は「3コーナーで馬が自分から上がって行こうとしていたので、お父さんの中山を走る時と同じような感じでした。今日の勝ちっぷりならまだまだ良くなりそうです」とコメント。唯一、父ディープインパクトの背中を知るレジェンドのお墨付きを得るレースとなった。
また、弥生賞の重馬場での勝利も価値があるだろう。管理する国枝調教師は「良馬場の方がいいと思う」と馬場適性について話している。重馬場で強い勝ち方をしているだけに、これがベストパフォーマンスでないとすれば、末恐ろしい存在だ。
その後、サトノフラッグには鞍上問題が囁かれた。手綱を取った武豊騎手は皐月賞でマイラプソディに騎乗するため、サトノフラッグの鞍上が未定となる事態が発生した。しかし、3連連続リーディングジョッキーのC.ルメール騎手を新パートナーに迎え、最高の形で解決したように思われる。
皐月賞制覇に向けて順調に思えるサトノフラッグだが、2つの「不安」がつきまとう。
1つ目が「ローテーション」だ。過去10年、弥生賞からのステップで皐月賞を勝ったのは、2010年のヴィクトワールピサただ1頭のみ。さらに前走のレース別の勝率では、共同通信杯(G3)組が28.6%、スプリングS(G2)組が7.1%に対して、弥生賞はわずか2.4%しかない。サトノフラッグにとっては不吉なデータだ。
そして2つ目の不安は「鞍上」だ。トップジョッキーであるルメール騎手の確保は、好材料に思えるかもしれないが、実はそうでないかもしれない。普段であれば、ルメール騎手がサトノフラッグの追い切りに騎乗するところだが、今回は騎乗できなかった。これは新型コロナウイルスの影響で、騎手は調教での東西移動を自粛しているのが原因だ。そのため、レース本番が「初コンタクト」になってしまう。
またルメール騎手と「サトノ」軍団のコンビで挑んだ皐月賞は、サトノダイヤモンド、サトノクラウンともに1番人気に支持されるも、それぞれ2着と4着に敗れている。過去の成績からも不安は拭いきれない。
ここまで順調に来ていると思えるサトノフラッグだが、実は大きな不安を抱えているのだ。
果たしてサトノフラッグは不安を吹き飛ばし、ライバルとなるG1馬2頭に一泡吹かせることができるだろうか。
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