JRA「非社台」オークス(G1)上位独占でダービーのサリオスに暗雲! 「ノースヒルズ」コントレイルに戦々恐々!?
24日、日曜東京メインは3歳牝馬の頂点を決めるオークス(G1)が行われ、1番人気デアリングタクトが桜の女王に続き、樫の女王の座も射止め無敗馬の2冠達成を成し遂げた。
7番人気ウインマリリンは2着に惜敗したが、直線インから鋭く伸びて女王をあわやのところまで追い詰めた。13番人気ウインマイティ―も一時は先頭に立つ3着は大健闘だったといえるだろう。
直線で進路取りに苦労した松山弘平騎手、外枠の不利がありながら最内に潜り込んだ横山典弘騎手、二桁人気の低評価を覆して3着に入った和田竜二騎手、それぞれの見事な手綱捌きもまた、見応えあるレースの演出に大きな影響を与えた。
一方で、今年のオークスにちょっとした異変があったことも見逃せない。
デアリングタクトのオーナーであるノルマンディーサラブレッドRの代表・岡田将一氏は、ビッグレッドファーム、サラブレッドクラブ・ラフィアンを設立した“マイネル軍団”の総帥・岡田繁幸氏の孫にあたる。
そしてウインマリリン、ウインマイティ―が所属しているウインレーシングCの代表は岡田繁幸氏の三男・義広氏が務めているように、上位3着以内いずれも非社台系だ。
ノーザンファーム、社台ファームなど、いわゆる”社台グループ”はG1戦線で強力な馬を多数所有しており、オークスは昨年のラヴズオンリーユーまで6連覇をしていたように得意なレースのひとつだった。今年は7頭を送り込んだものの、勝利には手が届かなかった。
毎年のように勝ち馬を出し、3着以内を独占することさえ珍しくなかった社台グループにとってはまったく予期せぬ結果となったのではないだろうか。
「社台グループにとっての大きな誤算は、この世代の牝馬で最も期待の大きかったリアアメリアの不振ではないでしょうか。昨年のアルテミスS(G3)を快勝したこの馬が、クラシックの中心を担う存在と見られていましたが、単勝1.8倍に支持された阪神JF(G1)で6着に敗退し、巻き返しを期した桜花賞(G1)でも10着と大敗しました。
さらに、“最後の切り札”としてスイートピーS(L)を勝ったデゼルにD.レーン騎手を配したものの、後方から伸びを欠いて11着に敗れました。リアアメリアは4着と一応の格好はつけましたが、当初、陣営が思い描いていた青写真とは大きな隔たりがあったでしょう」(競馬記者)
牡馬でもノースヒルズのコントレイルが皐月賞(G1)でノーザンファーム出身のサリオスを2着に下しているように、社台グループの今年のクラシック戦線は劣勢を強いられている。
クラシックでの敗戦は古馬となる翌年以降のG1戦線で勢力図を塗り替えられる危機とも背中合わせであることも意味する。
グループにとっても日本ダービーは是が非でも落とせないレースとなりそうだ。
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