JRAオークス(G1)横山典弘「先々でも楽しみ」父が息子に「お手本」魅せた!? 「親子鷹」ウインマリリンあわやの大金星!
24日、東京競馬場で行われたオークス(G1)は松山弘平騎手の1番人気デアリングタクトが直線鮮やかに突き抜けて快勝。桜花賞に続いて無敗の2冠を達成し、3歳牝馬の頂点に立った。
勝ったデアリングタクトの強さが際立ったレース内容ではあったものの、7番人気で2着に入ったウインマリリン(牝3、美浦・手塚貴久厩舎)もあわや大金星となる半馬身差の激走だった。
同馬はトライアルのフローラS(G2)を横山武史騎手とのコンビで快勝してオークス出走を決めた馬である。だが、同騎手は10日の東京9Rで斜行を犯し、9日間の騎乗停止処分が下された。その結果、優先出走権を手に入れたオークスは乗り替わらざるを得なくなった。
また、ウインマリリンはここまで4戦3勝のうち、3勝すべてが横山武騎手とあげたもので、相性抜群のコンビでもあった。それだけに鞍上の行方は大きな注目を集めた。
そこで白羽の矢が立ったのが父の横山典弘騎手だった。昨年は青葉賞(G2)でリオンリオンを勝利に導いた父がまさかの騎乗停止となり、日本ダービー(G1)の騎乗は父から子へ託された。横山典騎手は「申し訳ない。でも、若い武史にチャンスをくれて本当に感謝している。親としてこれ以上うれしいことはないよ」と複雑な思いで息子のG1・初騎乗を見守った。
ところが今年は逆に、息子から父への乗り替わりという格好で横山典騎手がオークスで騎乗することとなった。父として、先輩騎手としてチャンスを逃した息子への“メッセージ”を残したい――。横山典騎手には期するものがあっただろう。
レースは8枠16番という外枠からのスタートとなったが、ゲートを出るとすぐに内へとウインマリリンを誘導。軽快に飛ばすスマイルカナの2番手でピタリと折り合った。速い時計の決着でも、前の馬が残る展開が多くかった東京の芝コースを最大限活かす名手の読みが光った。
「さすが横典マジックといえる好騎乗でした。直線では追い出しをワンテンポ遅らせる渋さもありました。外枠を引いて難しいレースだったはずが、いつのまにかインの最短距離を走っていた訳です。穴馬でも乗り方次第でチャンスがあることを巧みな手綱捌きで証明しましたね。
断然人気だったデアリングタクトは後方で馬群に揉まれ、なかなか進路が見つかりませんでした。着差はわずか半馬身だっただけに一歩間違えればウインマリリンが優勝していた可能性もありました」(競馬記者)
昨年のダービーで父の代打となった横山武騎手は15着に大敗し、「悔いのないレースはできました」と胸を張った。
父が威厳を見せつけた今年のオークスをどのような想いで見つめていただろうか。
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