JRA無敗2冠馬コントレイルが超えなければならない壁!? ディープインパクト産駒の弱点とは
今年のダービーを圧勝し、父ディープインパクト以来となる無敗2冠を達成したコントレイル(牡3、栗東・矢作芳人厩舎)。デビューからここまで4戦をほぼ危なげのないレースで圧勝を見せているように、同世代のライバルの追随を許さない完成度の高さは、抜きんでた存在といえるだろう。
このまま順調に秋を迎えることができれば、15年ぶりとなる無敗の3冠馬誕生は濃厚かもしれない。
過去、ディープインパクト産駒の単独G1勝利数はジャパンC(G1)を連覇するなど最多7勝をあげたジェンティルドンナが頭一つ抜けた存在だ。1勝にとどまるか、多くても2勝が大半であり、3勝以上をあげたのは今年の天皇賞・春(G1)を制したフィエールマンがジェンティルドンナに続く2頭目だった。
それだけに5月3日に行われた天皇賞・春からひと月に満たない短期間で3頭目のG1・3勝以上馬となったコントレイルへの期待は自ずと高まる。また、比較的早い時期から活躍することが多いディープインパクト産駒にとって2歳戦のホープフルステークスがG1に昇格したことも有利に働いたといえるだろう。
その一方でクラシックを勝った牡馬のディープインパクト産駒が、古馬となった翌年に意外と伸び悩んできた歴史も見逃せない事実だ。これまで牡馬クラシックでは皐月賞をディーマジェスティ、アルアイン、ダービーをディープブリランテ、キズナ、マカヒキ、ワグネリアン、ロジャーバローズ、菊花賞をサトノダイヤモンド、フィエールマン、ワールドプレミアらが勝利しているが、古馬となってG1を勝ったのは大阪杯を勝ったアルアインと天皇賞・春を勝ったフィエールマンくらいである。
直近の3頭のダービー馬、ロジャーバローズは秋を前に屈腱炎を発症して既に引退、ワグネリアンとマカヒキは古馬となってからは思うような活躍が出来なくなっている現状だ。待望の牡馬の大物誕生となったコントレイルが、成長力を問われる秋以降にどのような活躍を見せるかは注目される。
「ディープインパクトはコンスタントにG1馬を出す一方で、古馬になってから別馬のように精彩を欠く産駒が多いという声がありました。皐月賞とダービーどちらかを勝つ馬はいましたが、両方を勝ったのはコントレイルが初めてだったようにこれまでの馬と同じような扱いはできないかもしれません。
ですが、デビューから無敗の2冠ということはある程度の完成度は要求されますから成長力の懸念がまったくないわけでもありません。これまでも春に強かった馬が秋になって突然走らなくなる事例は数多くありました。ただ、福永騎手がダービーでも遊びながら走っていたとコメントしていたようにまだ完成していないということであれば、無用な心配に終わる可能性も十分にありそうですね」(競馬記者)
強過ぎるがために完成度が高いと”誤解”されているのが真実なら、さらに進化するであろう秋からのコントレイルには底知れないポテンシャルの高さが備わっているだろう。
早ければ年内にも最強女王アーモンドアイ、無敗の2冠牝馬デアリングタクトとの対決もあるかもしれない。
無敵の快進撃を続けるコントレイルの秋を楽しみに待ちたい。
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