
JRAスピード競馬こそ主流「マイラー大好き」引退間近の名伯楽が見せた真骨頂!? 安田記念(G1)アーモンドアイ撃破グランアレグリアは厩舎の集大成となるか

7日、東京競馬場で行われた春の最強マイラー決定戦・安田記念(G1)は、楽勝したヴィクトリアマイル(G1)で7冠馬となったアーモンドアイの8冠達成に大きな注目が集まった。
だが、単勝オッズ1.3倍の圧倒的1番人気に支持された最強女王の野望を打ち砕いたのは昨年の桜花賞馬グランアレグリア(牝4、美浦・藤沢和雄厩舎)だった。同馬の主戦・C.ルメール騎手がアーモンドアイに騎乗するため、高松宮記念(G1)に続いて手綱を取った池添謙一騎手の見事なエスコートも大金星の大きな援護射撃となった。
グランアレグリアは昨年、NHKマイルC(G1)こそ4位入線5着降着と敗れたものの、圧勝した桜花賞を前年のアーモンドアイの勝ち時計1分33秒1を上回る1分32秒7で勝利。昨年暮れの阪神C(G2)では2着フィアーノロマーノに5馬身差をつける大楽勝で勝利を飾っていた。
初のスプリント戦となった前走の高松宮記念(G1)でも重馬場で逃げたモズスーパーフレアが残る流れを後方から上がり3F最速の33秒1で猛追。3位入線2着繰り上がりと潜在能力の高さを見せていたことも見逃せない。
アーモンドアイで敗れたルメール騎手が「グランアレグリアが一番怖かった」とコメントしたことからも同馬の能力を高く評価していたことが伝わって来る。
また、藤沢和雄調教師といえばこれまで12度のJRA賞最多勝利調教師を獲得したトップトレーナーだ。シンボリクリスエス、ゼンノロブロイなど多くの名馬を世に送り出してきた。その一方で、シンコウラブリイ、タイキブリザード、タイキシャトル、ダンスインザムードを輩出し、「マイラー王国」として名を馳せていたことでも有名である。
そんなマイラー大好きな名伯楽とはいえ、近年はマイルG1を複数勝利した馬は2006年のヴィクトリアマイルを優勝したダンスインザムードを最後にマイルG1で2勝した馬はいなかった。
17年にソウルスターリングをオークス(G1)に出走させる際には「スピードが主流になってきている今の競馬で、長い距離が得意な馬なんて本質的にはいないんだよ」とコメントしていたことも、藤沢師のスピード重視の持論である。それだけにかつての藤沢厩舎を知る競馬ファンは、マイラーの活躍が減っていた現状に多少なりとも物足りなさを感じていたかもしれない。
「ダンスインザムードで勝利した2006年のヴィクトリアマイルから14年の天皇賞・秋(G1)のスピルバーグまでの14年の間、JRA・G1未勝利と低迷した期間がありましたが、近年はソウルスターリングやレイデオロの活躍でまた存在感を増していたのは頼もしいです。
ですが、一時代を築いた名調教師も2022年の2月で引退と残された時間は長くはありません。そんななかでグランアレグリアは引退の花道を飾るに相応しい馬なのかもしれませんね」(競馬記者)
昨年の桜花賞に続き、安田記念でマイルG1・2勝目をあげたグランアレグリアは13年ぶりに出現した「マイラー王国」のエースとして藤沢厩舎をけん引する存在となってくれそうだ。
陣営から1200~1600mの距離を使う予定と発表された秋にどのような走りを披露してくれるだろうか。
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