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JRAラジオNIKKEI賞(G3)武豊パラスアテナ芝に変わって激変! スランプ脱した鞍上を後押しする絶好の条件とは……

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 7月5日、福島競馬場ではラジオNIKKEI賞(G3)が開催される。「残念ダービー」といわれる夏のローカル重賞だが、なかなかの好メンバーが集まった。秋の飛躍を目指して熱戦が繰り広げられそうだ。

 注目したいのは武豊騎手とのコンビで挑むパラスアテナ(牝3、美浦・高柳瑞樹厩舎)だ。父ルーラーシップ、母ステラリードの期待馬はデビューして2戦をダートで連敗したが、3戦目から芝に変わると一変。未勝利戦で2着馬に5馬身突き放して待望の初勝利を挙げた。

 圧巻だったのは5月のカーネーションC(1勝クラス)だ。大逃げした逃げ馬が、1000m通過58秒9のラップで快調に飛ばした。後続が大きく離された展開にも鞍上の武豊騎手は泰然自若の中団後方から追走。直線に入って満を持して追い出されると上がり3F最速となる33秒3の切れ味で突き抜けた。

 勝ち時計の1分45秒9もデゼルが優勝したスイートピーS(L)の1分47秒1を大きく上回った。初芝となった未勝利戦でも最速の上がり3Fを記録しており、2連勝したレース内容は非常に高く評価できるだろう。

 さらに、ラジオNIKKEI賞は、無敗の芝3連勝を狙うパラスアテナにとっても状況が好転していることも確かだ。武豊騎手が完全復調の気配を見せているのである。競馬界のレジェンドといえども、今春の重賞戦線は試練の連続だった。

 毎日杯(G3)をサトノインプレッサとのコンビで勝利を飾ったものの、以降は人気よりも着順が下回る結果が続いた。エプソムC(G3)を敗れたときには重賞15連敗という不名誉な記録を重ねてしまった。そんな武豊騎手の窮地を救ったのが、函館スプリントS(G3)でコンビを組んだダイアトニックでの快勝だった。好スタートを決めると強気な先行策から押し切り、自身も7連敗中だった函館スプリントS初勝利をあげた。

 連敗中に目立っていた思い切りの悪さも薄れ、全盛期を思わせる鮮やかな手綱捌きを見せてくれた武豊騎手。真骨頂を見せたのはキセキを2着に導いた先日の宝塚記念(G1)だろう。スタートを無難にまとめると、前走の天皇賞・春とは一転して後方でピタリと折り合った。勝負所となった3コーナーから抜群の手応えで上がって行く姿は、同馬の初G1勝ちとなった17年の菊花賞を彷彿とさせる走りだった。

「これまでの悪い流れが明らかに変わった印象です。函館スプリントSも宝塚記念もまさに技ありといえる好騎乗だったといえます。武豊騎手にとって何かしら吹っ切れるきっかけもあったのでしょうか。

好調になると手が付けられないのも武豊騎手の特徴です。パラスアテナは前走でいい勝ち方をしているだけにイメージも悪くないでしょう。あっさり勝っても不思議ではないかもしれません」(競馬記者)

 パラスアテナと武豊騎手のコンビにとって追い風となりそうなのが今年の出走馬の顔触れだ。

 登録している馬の半数以上が、前走で逃げた馬なのである。おそらく先行争いが激しくなり、ペースが速くなる可能性が高い。これは後方から鋭い末脚を繰り出す同馬にとっても歓迎材料となりそうだ。

 勢いを取り戻したレジェンドが夏競馬で大暴れする姿に期待したい。

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