JRA函館記念「343万馬券」アドマイヤジャスタ復活を導いた“秘密兵器”とは!? 前日モンファボリで泣いた須貝尚介厩舎の大波乱演出にアンカツもびっくり
19日、函館開催のフィナーレを飾る函館記念(G3)は、15番人気のアドマイヤジャスタ(牡4歳、栗東・須貝尚介厩舎)が優勝した。
16頭立てで行われたサマー2000シリーズの第2戦。前哨戦の巴賞(OP)を逃げきったトーラスジェミニが引っ張る流れは、前半の1000m通過が58.8秒という過酷な流れだった。そんな中、アドマイヤジャスタは勝負所の3コーナーから、鮮やかなマクリ。最後の直線入り口で先頭集団を射程圏に捉えると、力強い脚取りで約1年9か月ぶりのVを飾った。
この勝利には、鞍上の吉田隼人騎手も「びっくりしましたけど、うれしかったです」とパートナーの復活劇に驚いた様子。単勝77.3倍のブービー人気だったが、ホープフルS(G1)2着の実績馬が華麗な復活劇を演じ、三連単も343万馬券の大荒れだった。
「15番人気の伏兵とは思えない強いレースでした。昨年の皐月賞(G1)で惨敗してから、ずっと調子が上がらないままで“早熟説”も囁かれていましたが、前走の鳴尾記念(G3)で6着。わずかに復調の兆しを見せていました」(競馬記者)
記者曰く、もともと一昨年のホープフルSでサートゥルナーリアに1馬身半差の2着と、世代屈指のパフォーマンスを見せていたアドマイヤジャスタだが、気性面に大きな課題があったという。
そこで陣営は、前走の鳴尾記念からホライゾネット(パシュファイヤー)の導入を決定。フードの目穴部分をネットで覆ったもので、本来はダートなど泥が目に入るのを防ぐために用いられているが、同時に視野を制限することでレースに集中する効果も期待できるという。
その結果が復活の兆しを見せた前走・鳴尾記念の6着、そして今回の大駆けに繋がった。これまでスタートの安定が課題のアドマイヤジャスタだったが、吉田隼騎手が「思ったより(スタートを)出てくれて、いいポジションで競馬ができました」と振り返った通り、“秘密兵器”の導入が復活を後押ししたようだ。
「アドマイヤジャスタを管理する須貝厩舎は、昨日(18日)の函館2歳S(G3)で、単勝1.5倍の支持を集めながらも13着に大敗したモンファボリの厩舎。昨日は残念でしたが、この日の思わぬリベンジに沸いているでしょうね」(同)
これには元JRA騎手の安藤勝己氏も、自身の公式Twitterを通じ「須貝厩舎は2歳Sじゃなくて記念とはね」と驚いた様子。改めて、馬が走る競馬の難しさや奥深さが確認できる事象となった。
「まだまだ4歳ですし、これからよくなってほしいです」
そう勝利騎手インタビューを締めくくった吉田隼騎手。次走は未定ながら、秋に待っているのは同期のサートゥルナーリアとのリベンジマッチが濃厚だ。ホープフルSで付けられた1馬身半差をどこまで詰められるか。かつての“世代No.2”が、夏の北海道で復活の狼煙を上げた。
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