JRA「アドマイヤ」の忘れ形見の兄はダービー馬! 昨年亡くなった名物オーナーの秘蔵っ子がデビュー
6日、小倉の新馬戦(芝1800m)にアドマイヤザーゲ(牡2、栗東・友道康夫厩舎)が川田将雅騎手とのコンビで出走を予定している。
同馬は父ドゥラメンテ、母アコースティクスという血統。2015年のクラシック2冠馬である父は現在2歳馬の勝ち数でリーディングと好調。昨年死亡したディープインパクト、キングカメハメハの後継種牡馬として注目の存在である。また、母は2009年のダービー馬ロジユニヴァースを輩出した名牝だ。
大物感あふれる血統的背景からもクラシックを意識せざるを得ないだろう。
兄のロジユニヴァース(父ネオユニヴァース)はデビューから4連勝で09年の弥生賞(G2)を制し、クラシックの中心的な存在となった。1番人気で臨んだ皐月賞(G1)では14着と思わぬ大敗を喫したものの、未曽有の不良馬場ともいわれた次走の日本ダービー(G1)を4馬身差で圧勝。将来を嘱望された馬だったが、その後は度重なる脚部不安と体調不良に悩まされ、輝きを取り戻すことなく引退を余儀なくなされた。
そんな兄の無念を晴らすためにも、弟のアドマイヤザーゲにクラシックでの活躍が期待されるのも仕方がない。
同馬は今年の3歳クラシックでも6億円馬アドマイヤビルゴが話題になった故・近藤利一さんが所有していたが、現在は後を継いだ近藤旬子氏の名義となっている。名物オーナーの代名詞ともいえる「アドマイヤ」の冠名がついた馬は、名義変更などもあって現2歳世代で4頭と少ないが、それだけに素質馬揃いの少数精鋭ともいえるだろう。
「8月26日の1週前追い切りでは栗東・CWで古馬と併せて遅れましたが、古馬のOP馬が相手で悲観する内容ではありませんでした。
友道調教師も動き、時計は悪くなかったとジャッジしているようです。初戦から動ける状態でしょう」(競馬記者)
父母いずれにもダービー馬の血が流れる血統的なスケールからも、あっさり勝っても驚けないアドマイヤザーゲだが、気になるとしたら相手関係よりも週末の天気だろう。
過去最強クラスといわれる台風10号が、今週末に九州に接近するといわれており、場合によっては小倉の開催が中止に追い込まれる可能性も出ている。
デビュー勝ちを目指す素質馬にとっては予想外の敵が現れたかもしれない。
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