元JRA安藤勝己氏「一枚上だった」ウオッカでさえ越えられなかった07年秋華賞(G1)ダイワスカーレットの壁……デアリングタクトは「1強」を再現できるか
18日、京都競馬場では秋華賞(G1)が行われる。1957年のミスオンワード以来 63年ぶりに春のクラシック2冠を無敗で制したデアリングタクトが出走する。
同馬が無事に3冠最終関門を突破することに成功すれば勿論、史上初の無敗3冠牝馬が誕生することとなる。残念ながら現在はコロナ禍の状況も相まって、歴史的な瞬間に立ち会うことを許される一般のファンはネット予約の指定席の抽選を突破できた場合のみ。幸運にもこの”プラチナチケット”を入手することが出来た方は羨ましい限りだ。
そういった意味でも注目の秋華賞だが、今回は過去の激戦の中でも特に人気の高い2007年を振り返ってみたい。
この年の牝馬は非常にバラエティに富んだメンバーが揃った世代だったといえるだろう。秋華賞には桜花賞を勝利したダイワスカーレット、64年ぶりに誕生した牝馬のダービー馬ウオッカ、オークス(G1)1番人気のベッラレイア、NHKマイルC(G1)を制したピンクカメオが一堂に会した。アストンマーチャンは距離適性を優先してスプリンターズS(G1)に進んだが、見事に優勝したように層は厚かった。
宿命のライバルといわれたダイワスカーレットとウオッカの2頭。10分に渡る写真判定の結果、わずか2センチ差でウオッカが勝利した2008年の天皇賞・秋(G1)の激闘は歴史に残る名勝負として今なお語り継がれている。
その一方、通算の直接対決ではダイワスカーレットが3勝2敗、GIに限れば3勝1敗と大きく勝ち越した。そのため、人気のウオッカ、実力のダイワスカーレットと見られることも多い。
また、同馬の主戦である元JRAの安藤勝己氏も、ウオッカのことはいつも気にしていたとしつつも、2頭の比較を聞かれた際には「ダイワスカーレットが一枚上」と評しているほどだ。自分のレースが出来ればという前提があるのは勿論だが、秋華賞ではライバルを圧倒してみせた。
ヒシアスペンが競りかけたこともあり、縦長の展開となったフルゲート18頭立てのレースは1000m通過が59秒台前半と流れた。2番手につけたダイワスカーレットに対しウオッカは15番手の後方待機策。4角先頭から上がり3ハロン33秒9の脚で後続を完封したダイワスカーレット。ウオッカは直線外から懸命に追い上げを図ったものの、勝ち馬どころか好位から抜け出したレインダンスの後塵を拝する3着に完敗を喫した。
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