JRA池添謙一「悪者になってもいい」!? 菊花賞(G1)コントレイル「三冠阻止」へ。ヴェルトライゼンデ「ハッピーエンド」は完璧なシナリオから
大一番を直前に迎え、ファンの熱も高まってきた菊花賞(G1)。今年は「無敗の三冠」を狙うコントレイルがおり、例年以上の注目が集まっている。
まさにコントレイル一色となりそうな菊花賞だが、それに「待った」をかけるのがヴェルトライゼンデ(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)だ。
デビューから4戦目のスプリングS(G2)から手綱を握る池添謙一騎手。ヴェルトライゼンデを管理する池江調教師とは、これまで数々のG1を制してきた名コンビだ。
『netkeiba.com』の動画『謙聞録』にて「悪者になってもいい」と語った口調からは、ただ黙って三冠馬誕生を見守るというつもりは毛頭ないはずだ。
2週連続で追い切りに騎乗した池添騎手は、その状態にかなりの手応えを感じており「とにかくめちゃくちゃいい」と大絶賛。今週は栗東のCウッドコースにて末強めで併せられ、6ハロン84.4秒の時計をマークした。僚馬に遅れはしたものの、余力を残してのフィニッシュ。
池添騎手は「先週の時点で上積みは感じていたが、今週もさらに状態は上がっている」とコメントしており、これ以上ない状態で出走の時を迎えられそうだ。
秋初戦に予定していたセントライト記念(G2)は、中間の熱発により見送り。スライドして挑んだ神戸新聞杯(G2)では、2着に入り存在感を示したヴェルトライゼンデ。
約4ヶ月の骨折明けだった前走は、池添騎手も「いい過程ではなかった上に大外枠。2コーナーでは不利を受けた馬のあおりもくった」と全てが噛み合わなかった。それでも2着と好走した内容からは、改めてこの馬の底力を確認できたレースだった。
前走を使った後も順調に調整されており、JRAから発表された調教後の馬体重もプラス10kg。馬体減りなどの心配も皆無だといえるだろう。
陣営も「パワーが付いた感じ。コントレイルを見ながら運べる枠もいい。成長度なら負けていません」と前走からの大きな上積みを感じ取っている。
「真ん中よりも内がいい」と話していた池添騎手。その通りの内枠を引き、運をも味方につけて、今回は盤石の態勢でレースに挑む事ができそうだ。
「馬にも覇気が出てきて、フットワークの質や脚捌きも1段階上がっているとの事ですよ。距離適性なども含めてコントレイルとの差は詰まるでしょうし、紛れが起これば逆転もあるかもしれませんね」(競馬記者)
これまで、対コントレイルでは4戦全敗と勝利のないヴェルトライゼンデ。しかし、今回は陣営にとって思い描いたどおりの、完璧なシナリオとして進んでいる事だろう。
コントレイルに一矢報いる準備は整った――。
あとは、池添騎手のエスコート。「ハッピーエンド」かどうかは、そこにかかっているのかもしれない。
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