GJ > 競馬ニュース > C.ルメール 絶対王者を追い詰めた「2つの狙い」  > 2ページ目
NEW

JRA菊花賞(G1)C.ルメール「悪魔的戦略」に福永祐一コントレイル戦慄……「ちょっと不味いなと」絶対王者を追い詰めた3000m徹底マークの「2つの狙い」

【この記事のキーワード】,

「すっと2着馬が斜め後ろにいてプレッシャーを掛けていたんで。それもあって馬がずいぶんエキサイトしていましたけど、何とか我慢してくれました」(福永騎手)

 陣営が戦前から「ベストではない」と話していた通り、コントレイルにとって今回の最大の不安は3000mという距離だった。だからこそ福永騎手は、コントレイルとの折り合いを重視して、気持ちよく走らせる競馬を試みようとしていたはずだが、ルメール騎手がそれをさせなかった。

「それ(ルメール騎手のマーク)もあって馬がずいぶんエキサイトしていましたけど、何とか我慢してくれました」というのは福永騎手の談だ。2016年サトノダイヤモンド、2018年フィエールマンと、ここ5年で2度の菊花賞制覇の経験を持つルメール騎手は、長距離戦で「何」が一番大事なのかをしっかりと理解していたに違いない。

 そして、もう1つ。この日の京都競馬場は前週までの雨の影響によって、内側の馬場がかなり傷んでおり、外伸びが顕著な状況だった。当然、それは福永騎手も理解しており、2枠3番のコントレイルをできる限り早く外に出したかったが、ルメール騎手が外から蓋をし続けて、それをさせなかった。

JRA・C.ルメール「悪魔的戦略」に福永祐一コントレイル戦慄‥‥…「ちょっと不味いなと」絶対王者を追い詰めた3000m徹底マークの「2つの狙い」の画像2

「世代間でコントレイルの力が抜けていることは、前走の神戸新聞杯(G2)を見ても明らか。そんな中で行われる菊花賞では、3着になったサトノフラッグの戸崎圭太騎手のように1つでも上の着順を目指して自分の競馬に徹するのがセオリーですが、唯一大本命馬を負かしに行ったのが、ルメール騎手でしたね。

昔から『長距離戦は騎手の腕』と言われ、騎手同士の駆け引きが重要になるレースも多いですが、ここまでスタート直後から徹底的にマークした例は稀。もしアリストテレスがコントレイルに勝っていれば、違った意味で歴史に残るレースになったと思います。惜しくもアリストテレスは2着でしたがルメール騎手からすれば、まさに『勝負に勝って試合に負けた』の心境だったのではないでしょうか」(競馬記者)

 このルメール騎手の徹底マークに対しては、福永騎手も「ちょっと不味いな」と肝を冷やしたという。だが、「馬を信じて、気持ちだけはブレないように信じて追っていました」と、最後はデビューからコンビを組んできた相棒への信頼で勝利をもぎ取った。

「すごくいい競馬。ずっとマークして直線で一緒にファイトした。ラスト150mでフルパワーを使ったけど、コントレイルは全然止まらなかった。負けたけどうれしい。コントレイルは強い。おめでとう」

 レース後、そう勝者を称えたルメール騎手。この騎乗にはアリストテレスを管理する音無秀孝調教師も「文句は1つもない。ルメールさんは、さすが」と鞍上を大絶賛。陣営としても悔いのないレースだったようだ。

JRA菊花賞(G1)C.ルメール「悪魔的戦略」に福永祐一コントレイル戦慄……「ちょっと不味いなと」絶対王者を追い詰めた3000m徹底マークの「2つの狙い」のページです。GJは、競馬、, の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

5:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
  2. 【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
  3. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  4. 「面白いこと教えてやるよ」横山典弘、打倒ソールオリエンスに手応えアリアリ!? 馬券に絡んだのはすべて内枠。「父兄参観」と揶揄された2年前とは一変
  5. 四位洋文騎手が「トラウマ」嘆く……武豊騎手も不快感を露にした昨年「マイルCS」ディサイファの悲劇
  6. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  7. JRA調教師の目標は「餌やり」からの卒業!? 競馬界の「影の王」ノーザンファーム外厩大成功に存在意義ズタズタ……
  8. 武豊「スキャンダル」「ケガ」など揺れに揺れた2017年。弟・幸四郎騎手「引退」から小浦愛「不倫疑惑」、そしてキタサンブラック「大団円」までをプレイバック!
  9. 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
  10. JRA横山典弘「ポツン」について激白!「俺のポツンがあまり好まれていないことはわかってる」知られざる「2つ」のポツンと、それでも続ける理由とは